交通事故

自動車保険は必ず加入しないといけない?必要性について

2019.04.24

交通事故を起こしてしまったと仮定しましょう。
相手の方には怪我を負わせてしまい、さらに一生後遺障害が残るという結果になってしまいました。
このとき、あなたは相手の方やそのご家族に対してどうやって保障をしていけばいいと思いますか?
また、死亡させてしまった場合、今やその賠償金額が億を超えることも珍しくありません。
あなたはその金額を用意することができますか?
このような損害賠償に備えるための「保険制度」について、今回はご説明します。

1.保険加入の必要性

①万が一に備える

交通事故を起こしてしまった場合、車の所有車や運転者には、被害者に対して損害賠償の責任が生じます。この損害賠償に備えるのが保険です。
万一の場合に備えて必ず保険には加入しておきましょう。

②自動車保険の種類

自動車保険には、法律によって必ず加入しなければならないもの(強制保険)と、所有者や運転者が任意で加入するもの(任意保険)の2種類があります。

・強制保険(自動車損害賠償責任保険=自賠責保険)
自動車(農業作業用小型特殊自動車を除く)や原動機付自転車は、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)、または自動車損害賠償責任共済(責任共済)に加入していなければ、運転してはいけません。要するに、ナンバーのついた車は、所有者の意思に関係なく加入する義務があります。

・任意保険(損害保険会社などの自動車保険)
強制保険で保障してもらえるのは、人身事故に限られ、しかも自損事故は含まれません。また、賠償額にも限度があり、強制保険だけでは十分に賠償できるとは限りません。高額な損害賠償や物損事故、自損事故などに備えて任意保険に加入しておきましょう。

2.保険金の請求について

①強制保険の保険金請求方法

自賠責保険は、交通事故の被害者救済を目的に国が事業として行っている保険です。
交通事故による強制保険の保険金の請求方法には、次の2つの手段があります。

・加害者請求
加害者は、被害者に損害を賠償した範囲内で、保険会社に対し保険金の支払いを請求することができます。ただし、この請求は領収書や必要書類を添えた上で、被害者に支払いをしてから3年以内に行わないと時効になります。

・被害者請求
示談が円満に解決しないような場合、被害者は加害者に損害賠償を請求する代わりに、加害者が加入している自賠責保険に対し損害賠償額の支払いを直接請求することができます。
また、さしあたりの費用として必要があれば、損害賠償額の一部を仮渡金として請求することもできます。

②任意保険の保険金請求の流れ

強制保険と同様に、任意保険の場合にも「加害者(被保険者)の請求」「被害者の請求」2つがあります。

・加害者の請求
通常、加害者は加入している損害保険会社に保険金の請求手続きを行っていれば、損害保険会社が被害者との示談交渉を代行し、示談成立後に保険金を被害者に支払ってくれます。この場合には、損害保険会社が自賠責保険の請求手続も一括して行いますので、加害者は別途に自賠責保険の請求手続きを行う必要はありません。

・被害者の請求
任意保険会社への請求は、保険契約者からの請求が原則です。
任意保険会社は、あくまで保険会社にすぎないため、被害者に対して損害賠償の支払義務を負っているわけでありません。

損害賠償の支払義務を負うのは、あくまでも加害者であり、被害者は一度加害者に請求してからでなければ、任意保険会社からの支払いを受けられません。

しかし、示談が成立しても加害者が賠償金を支払わない場合、被害者は加害者の加入している損害保険会社に被害者請求をすることになります。

ここで問題となるのが、被害者の直接請求権は保険約款上(※1)の権利であり、必ず任意保険会社対し直接請求できるとは限らないという点です。一度加害者に請求してからでなければ、任意保険会社からの支払いを受けられないというのは、被害者の方にとって大きな負担となることでしょう。

そこで、対人賠償・対物賠償等の任意保険においては、被害者は任意保険会社に対して、直接請求することが認められています。
被害者から任意保険会社に対して直接請求権が認められる場合とは、保険契約約款上で被害者が直接請求権の行使が認められている場合ということになります。

これは逆にいうと、被害の直接請求権が保険約款で規定されていない場合には、被害者から任意保険会社に対する直接請求を行ったとしても請求が通らない可能性が十分に考えられます。
だからこそ、専門家に相談しながら、手続きしたほうがよりスムーズに話が進むと考えられます。

※1 約款とは契約条項のことをいいます。企業と個人が契約する際の、決まりのようなもので、保険に関していえば、どのような条件で保険金が支払われる、支払われないなどが書かれています。

3.まとめ

事故の当事者間で話合いがつかない場合など、どうしたら良いのか分からない点が沢山出てくることだと思います。

交通事故の示談は、事故で生じた損害賠償額を話し合いで決めていくため、加害者も被害者も損害賠償額の目安を知っておかなくてはいけません。

損害賠償額の主な目安としては、保険会社基準(自賠責保険・各保険会社の支払い基準)と日弁連基準(財団法人 日本連交通事故相談センターの「交通事故損害額算定基準」)があります。

保険会社基準の場合、裁判を前提としていないため、本来受け取ることが出来る損害賠償額より低くなる可能性もあります。
もしお悩み事や不安な点等がございましたら、是非弁護士にご相談下さい。

※本記事に搭載されている内容は、あくまで一般的な流れであり、発生事故によって異なることもございます。ご了承ください。