相続税

相続税のあらまし

2021.04.25
相続税のあらまし

相続税は、個人が亡くなられた人(以下「被相続人」といいます。)から、相続や遺贈によって財産を取得した場合に、その取得した財産に課される税金です。
今回は、相続税がかかる財産や、相続税の計算から控除できるもの等、相続税のあらましについてご説明します。

1.相続税のかかる財産ってなに?

相続税のかかる財産には、被相続人が亡くなる日時点で所有していた現金・預金・有価証券・土地・建物・事業用財産・家庭用財産・ゴルフ会員権など一切の財産が含まれます。現金や預金等は亡くなる日時点での評価額を基準とされまますが、土地、建物、有価証券等の財産は時価で評価するとされています。しかし、財産の正確な時価を納税者が計算することは難しいため、国税庁が財産評価基本通達により、その財産の種類ごとに評価の方式を定めています。

また、被相続人固有の財産でなく、受取人固有の財産であっても、実質的には相続又は遺贈により取得したものと同様であるとして、相続財産とみなされ相続税がかかるものがあります。これを「みなし相続財産」といいます。

みなし相続財産
(1)死亡退職金、被相続人が保険料を負担していた生命保険契約の死亡保険金など
(2)被相続人から生前に贈与を受けて、贈与税の納税猶予の特例を受けていた農地、非上場会社の株式や事業用資産など
(3)教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税又は結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税の適用を受けた場合の管理残額
(4)相続や遺贈で財産を取得した人が、被相続人の死亡前3年以内に被相続人から財産の贈与を受けている場合(一定の特例を受けた場合を除きます。)
(5)被相続人から、生前、相続時精算課税の適用を受け取得した贈与財産
(6)相続人がいなかった場合に、民法の定めによって相続財産法人から与えられた財産
(7)特別寄与者が支払を受けるべき特別寄与料の額で確定したもの

一方で、相続や遺贈によって取得した財産であっても、次のような財産には、相続税は課税されないこととされています。

相続税がかからない財産
(1)墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物
(2)相続によって取得したとみなされる生命保険金のうち500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分
(3)相続によって取得したとみなされる退職手当金等のうち500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分
(4)心身障碍者共済制度に基づく給付金の受給権
(5)宗教、慈善、学術、その他公益を目的とする事業を行う一定の個人などが相続や遺贈によって取得した財産で公益を目的とする事業に使われることが確実なもの
(6)相続や遺贈によって取得した財産で相続税の申告期限までに国又は地方公共団体や公益を目的とする事業を行う特定の法人に寄附したもの、あるいは、相続や遺贈によって取得した金銭で、相続税の申告期限までに特定の公益信託の信託財産とするために支出したもの

 

2.相続財産から控除できる債務・葬式費用とは?

相続税を計算するときは、相続人又は受遺者が負担した債務や葬式費用を相続財産の価額から差し引くことができます。

(1)控除できる債務

被相続人が負担しなければならなかった国税・地方税等は、債務として、課税される相続財産の価額から差し引くことができます。この債務には未払の税金の他、銀行や個人からの借入金、水道代や電気代等の未払金も含まれます。ただし、確定していない未払費用等の債務は含まれません。

また、保証債務等も民法上は相続人が相続するのですが、相続税法上は債務控除することはできませんので、注意が必要です。

(2)控除できる葬式費用等

被相続人の葬式に際して相続人が負担した費用は、相続財産の価額から差し引くことができます。

葬式費用とは、次のものが対象となります。墓地・墓碑等の購入費用や香典返しの費用、初七日等の法要に要した費用等は、葬式の当日に支払ったとしても葬式費用に含まれません。

葬式費用
(1)葬式や葬送に際し、又はこれらの前において、火葬や埋葬、納骨をするためにかかった費用(仮葬式と本葬式を行ったときにはその両方にかかった費用が認められます)。
(2)遺体や遺骨の回送にかかった費用
(3)葬式の前後に生じた費用で通常葬式にかかせない費用(お通夜などにかかった費用がこれにあたります)。
(4)葬式に当たりお寺などに対して読経料などのお礼をした費用
(5)死体の捜索又は死体や遺骨の運搬にかかった費用

3.相続財産に加算する贈与財産とは?

相続又は遺贈等により財産を取得した相続人等が、相続開始前3年以内にその被相続人から暦年課税に係る贈与によって取得した財産は、相続税の課税価額に加算され相続税がかかります(贈与税の110万円の基礎控除の範囲内のものを含め、原則として相続財産に加算します)。ただし、加算した贈与財産につき、すでに支払った贈与税があれば自分の払うべき相続税額から差し引かれますが、控除し切れない額は切捨てとなります。

また、相続時精算課税適用者が被相続人から取得した相続時精算課税適用財産の価額は、相続税の課税価格に加算され、相続税がかかります。なお、贈与財産については、相続時に、相続開始時の価額ではなく贈与時の価額で相続税の課 税価格に加算されます。

ただし、加算した贈与財産につき、すでに支払った贈与税があれば相続税額から差し引かれ、暦年課税の場合と異なり、控除しきれない額は還付されることになっています。

4.まとめ

今回は、相続税がかかる財産や、相続税の計算から控除できるもの等、相続税のあらましについてご説明しました。
相続税の計算をする際は、対象となるみなし相続財産を見逃してしまったり、控除できる葬式費用を見逃してしまったりしないように専門家に相談すると安心です。

相続税申告は、申告期限が被相続人の死亡を知った日の翌日から10カ月以内と決められているため、相続税申告が必要な場合は早めにお近くの税理士や専門家に相談しましょう。