相続手続き

遺言書を見つけたら、どうしたらいいの?

2021.03.19
遺言書を見つけたら、どうしたらいいの?

亡人が、自筆証書遺言を作成していた場合、家庭裁判所へ提出して【遺言書の検認手続き】を行う必要があります。

検認の手続きは、どのように進めたら良いのでしょうか?
今回は、検認手続きの流れについてご説明いたします。

1.遺言書の種類

民法では、公正証書遺言を除く遺言書は相続の開始後に家庭裁判所で検認の手続きをする必要があると定められています。公正証書遺言の場合は、検認の手続きをする必要はありません。そもそも遺言書には、どんな種類があるのでしょうか?

①自筆証書遺言
自筆証書遺言は、遺言者が遺言の全文・日付・氏名を自署し、押印するだけで作成ができます。遺言者自身で作成するため、費用はあまりかかりません。ただし、要件を満たしていない場合には、遺言書の有効性について相続人間で争いが生じる可能性もあります。
また、自筆証書遺言の場合は検認の申立てが必要になります。

※法務局における遺言書の保管等に関する法律(令和2年7月10日施行)により、自筆証書遺言については、遺言者が希望すれば、作成後に保管料を納付することで、法務局で保管してもらうことが可能になりました。これにより、遺言書の紛失や改ざんのおそれが減ると考えられています。

②公正証書遺言
公証役場において、公証人が作成する遺言を公正証書遺言といいます。公証人という法律の専門家が書類を作成することから、形式に不備が生じる可能性はほとんどありません。

また、検認の申立ても不要になります。ただし、公証役場に払う費用が発生する等のデメリットがあります。

③秘密証書遺言
自身で書くか、代筆してもらった遺言書(ワープロ可)に、署名・押印したものを、公証役場へ持参し公証人と証人の立会いの下で保管を依頼する遺言です。秘密証書遺言については公証人が内容を確認するわけではないため、自筆証書遺言と同様に家庭裁判所において検認の申立てが必要となります。

また、要件を満たしていない場合には後々遺言書の有効性が争われる可能性があります。

2.遺言書の検認ってなに?

「検認」とは、家庭裁判所において相続人等の立会いのもと遺言書の内容を明確化し、遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。

「検認」手続きを経ていない遺言書の場合、不動産の相続登記や預貯金の名義変更等の執行手続きを行うことができません。

遺言書の保管者又はこれを発見した相続人は、遺言者の死亡を知った後、遺言書を家庭裁判所に提出して、その「検認」を請求する必要があります。

遺言書が封印されていた場合には、家庭裁判所での相続人等の立会いのもと開封しなければならないため、発見しても勝手に開封してはいけません。

もし開封してしまった場合、5万円以下の罰金を課せられる可能性があります。相続人全員が遺言書の内容をあらかじめ知っており、全員がそれに同意していたとしても遺言書は開封してはならないため注意が必要です。

3.検認の申立て先と必要な費用

検認を申立てる人は、遺言書の保管者もしくは遺言書を発見した相続人となります。遺言書の保管者又は遺言書を発見した相続人は、遺言書検認の申立てをする義務があります。

なお、相続人以外の者が遺言書を発見した場合、申立て手続きをすることは可能ですが、申立ての義務はありません。

検認の申立て先
遺言者の最後の住所地の家庭裁判所

申立てに必要な費用
①遺言書1通につき収入印紙800円
②郵券 84円切手×(申立人+相続人の人数)
(申立てを行う家庭裁判所によって異なります)

なお、申立書の書式や記載方法については、以下の裁判所HPをご参照ください。 
https://www.courts.go.jp/saiban/syosiki/syosiki_kazisinpan/syosiki_01_17/index.html

4.検認手続きの流れ

検認の申立てを行い書類に不備等がなかった場合、受理されてから1週間程度で家庭裁判所から検認期日の日程調整の連絡が入ります。
裁判所によって異なりますが、検認期日は申立てが受理されてから、1ヶ月後が目安とされています。
検認期日が決定すると、申立人と相続人全員に家庭裁判所から期日の通知書が郵送されます。

申立人は期日に必ず出席する必要がありますが、相続人の出席は任意です。相続人は検認期日通知書が届いたら、同封されている出欠回答書に回答の上、期日までに家庭裁判所へ返送する必要があります。

検認期日の当日、申立人は【遺言書の原本と印鑑、身分証明書等】を持参して下さい。検認手続きは、裁判官が遺言書を開封し、筆跡や捺印の確認を行い、申立人に保管場所や保管方法について確認をします。

検認の所要時間は30分程度の場合が多いです。検認手続きが終わると、検認済みであることを証明する【遺言書検認済証明書】の交付を請求することができ、申請するとその日のうちに発行されます。

また、検認手続き後、家庭裁判所の裁判官が【遺言書検認調書】を作成します。
遺言執行手続きの際に遺言書検認調書の掲示が必要となる場合があるため、必要な場合は裁判所に対して【検認調書謄本の交付】を申請するといいでしょう。申請から数日後に受け取ることができます。

5.まとめ

亡人が自筆証書遺言を作成していた場合、検認の手続きを取らなければいけません。
相続人の方は、家庭裁判所での検認手続きが必要であることを必ず把握しておきましょう。