inheritance basis

相続の基礎知識

遺産はだれがどれだけもらえるのか?

2021.04.04

身内が亡くなったとき、遺産をだれがどれだけもらえるのか気になりますよね。
相続をすることができる者は、民法で定められており、法定相続人といいます。あわせて、法定相続人がどのような割合で相続できるかも定められており、これを法定相続分といいます。
紛争のない幸せな相続にするために、事前に知っておきたい知識をご紹介します。

1.相続人の決定方法

法定相続人には、「優先順位の考え方」あり、以下の順に適用されます。

配偶者(亡くなった者の妻又は夫)は常に相続人(民法890条)。
※婚姻届を出している法律上の配偶者に限り、内縁の妻(夫)の配偶者は含まれない。

第一順位(子→子が亡くなっているときは孫以下、下の代)

被相続人の子は第一順位の相続人(887条1項)。相続人がなくなった時にまだ生まれていない胎児も含まれ、母体から生まれたときに相続人の資格が与えられる。

・嫡出子と嫡出子でない子
法律上の婚姻関係にある夫婦の間に生まれた子を嫡出子といい、そうでない男女から生まれた子を嫡出子でない子という。
いずれも相続人にあたる。
※嫡出子でない父子関係については認知がなされていないと認められない。

・実子と養子
血のつながった子を実子、法律上養子縁組した子を養子という。いずれも相続人にあたる。 (民法809条)。

・継親子関係
先妻の子と後妻との関係のように、子が夫婦の一方と実親子関係にない継親子関係のときは、その子は継親の実子ではないため、養子縁組をしていなければ継親の相続人にはならない。

・親権、国籍
親子間で国籍が違っても、親権や監護権がなくとも、親に対する子の相続人たる地位は変わらない。

・子が相続の開始前に亡くなっている場合(代襲相続)
子が相続の開始前に亡くなっている場合、又は欠格や廃除によって相続権を失ったが、その孫がいるときは、孫が子に代わって相続する(代襲相続)。

  • 死亡又は相続放棄によって誰もいないとき

第二順位(直系尊属→親が先に亡くなっているときはさらに上の代)

※第一順位の者がいたら、第二順位の者は相続人とならない。
〇直系尊属とは、被相続人の父母のほか、祖父母などそれより上の世代の親を言う。
親等の異なる者の間では、その近い者が相続人なる。(民法889条1項1号)

・実親と養親
親は実親でも養子縁組をした養親でも相続人。
※被相続人の配偶者の親の父母は直系尊属ではないので相続人には含まれない。

  • 死亡又は相続放棄によって誰もいないとき第三順位(兄弟姉妹→兄弟姉妹がさきに亡くなっている場合は、兄弟姉妹の子まで)

※第一順位、第2順位の人がいたら相続人にならない。

2.法定相続分について

同順位の相続人が数人いるときの相続分は、民法で定められており(民法900条)、これを法定相続分といいます。
相続のパターンは下記の図の①~⑦となり、それぞれの場合の相続分は次のようになります。

相続人 配偶者 直系卑属 直系尊属 兄弟姉妹
①配偶者だけ 全部
1順位 ②子と配偶者 2分の1 2分の1
③子だけ 全部
2順位 ④直系尊属と配偶者 3分の2 3分の1
⑤直系尊属だけ 全部
3順位 ⑥兄弟姉妹と配偶者 4分の3 4分の1
⑦兄弟姉妹だけ 全部

 

3.嫡出子と嫡出子でない子とで相続分が異なるのか

従来は、民法で、嫡出でない子の相続分は、嫡出子の相続分の2分の1とする旨の規定がありましたが、最高裁平成25年9月4日決定でのその規定が違憲とされ、撤廃されました。
しかし、平成13年6月以前の遺産相続に関してはその最高裁決定の影響は及ばず、平成13年7月から平成15年9月4日までの間に遺産分割協議が成立した、あるいは遺産分割審判が確定した場合にも、影響は及びません。

4.未成年の子も相続人となるのか

未成年の子も相続人になりますが、亡くなった者の子と配偶者が利益相反の関係にならないように特別代理人を選任する申し立てを家庭裁判所に行う必要があります。

5.内縁の配偶者は相続人になれないのか

事実婚は法的な婚姻ではないため、内縁関係の配偶者は法定相続人にはなりません、しかし、遺言を残しておくと、事実婚のままであっても確実に財産を承継させることができます。ただし、法定相続人が法定相続分の半分をもらう権利を害することはできません。

6.終わりに

相続の中でも気になることのひとつが、誰がどれだけもらえるのかという問題ですよね。
相続人は、自動的に相続人となる人もいれば、遺言を残さなければ相続人になれない場合もあります。
身内がなくなった後、相続で家族と揉めることがないように、準備をしておきましょう。
家族ごとにより相続の内容やケースが異なりますので、疑問点等がありましたら専門家にご相談ください。

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