inheritance basis

相続の基礎知識

相続とはなんだろう

2021.03.26

相続とは、「ある人の死亡などをきっかけに、その人が所有していた財産や権利、法的地位などを家族等の特定の人が全て受け継ぐこと」です。

自分が相続人になった場合に慌てず行動できるように、相続とはどのようなものかをご紹介いたします。

1.相続とは?

相続とは、「ある人の死亡などをきっかけに、その人が所有していた財産や権利、法的地位などを家族等の特定の人が全て受け継ぐこと」であり、被相続人がなくなった日が相続開始日となります。
なお、相続財産を残して亡くなった方のことを被相続人、被相続人の財産を受け継ぐ権利を有した人を相続人と呼びます。

2.相続人の優先順位

民法で定められた相続人のことを「法定相続人」と呼び、法定相続人になることができる人は、さらに「配偶者相続人」と「血族相続人」に分けられます。
配偶者相続人とは名前の通り被相続人の配偶者を指し、どんな場合でも相続人になる権利を持ちます。
しかし、あくまでも法律上の婚姻関係にある配偶者に限られるので、相続開始前の段階で離婚をした場合には相続権を得ることができません。

一方、血族相続人とは被相続人の子ども(実子・養子は問わない)、孫、ひ孫といった「直系卑属」や、父母もしくは祖父母の「直系尊属」及び兄弟姉妹を指します。

なお、血族相続人の相続の優先順位は以下のようになっています。

第1位順位  被相続人の「直系卑属」…①子ども→②孫→③ひ孫 
第2位順位  被相続人の「直系尊属」…①父母→②祖父母→③曾祖父母
第3位順位  被相続人の「兄弟姉妹」…①兄弟姉妹→②甥・姪

3.相続分の割合

受け継ぐことができる相続の割合についても民法で定められており、これを「法定相続分」と言います。
法定相続分がどのように分けられるのか、3パターンを例に紹介いたします。

①配偶者と子供が相続人になる場合
それぞれの相続分は2分の1ずつになり、子供が複数人いる場合は相続分の2分の1を均等に分割します。
なお、従前は、子どもの中に、婚姻している父母から生まれた子どもである「嫡出子」と婚姻していない父母から生まれた「非嫡出子」がいる場合、非嫡出子への相続分は嫡出子の2分の1とされていましたが、平成25年9月に最高裁がその内容を定めた民法の条文について憲法14条(法の下の平等)に違反するとして違憲の判断をしたことにより、平成25年12月に民法が改正され、嫡出子と非嫡出子の法定相続分は同じ(平等)になりました。

②配偶者と父母もしくは祖父母が相続人になる場合
配偶者が3分の2、直系尊属である父母もしくは祖父母が3分の1となります。
直系尊属が複数名いる場合は、相続分の3分の1を均等に分割します。

③配偶者と兄弟姉妹が相続人になる場合
配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1となります。
兄弟姉妹が複数名いる場合は、相続分の4分の1を均等に分割します。
ただし、兄弟姉妹の中に半血兄弟(父母どちらか一方のみを同じくする兄弟)がいる場合は、半血兄弟の相続分は全血兄弟の2分の1となります。

4.被相続人より先に相続人がなくなったら?

被相続人の死亡前に相続人が死亡等により相続人ではなくなってしまった場合、その子どもが親に代わって相続することになっており、これを「代襲相続」と言います。
この代襲相続については、直系卑属の場合には、何代でも代襲することが認められていますが、兄弟姉妹の場合は1代限り(被相続人から見て、「甥」や「姪」に当たる方まで)とされていますので、注意が必要です。

5.相続の対象となる遺産

相続財産には預貯金や不動産といったプラスになる財産だけではなく、借金や買掛金、未払いの税金、被相続人の医療費や入院費、住宅ローンなどの債務も含まれ、プラス財産だけを受け継いでマイナス財産は受け継がないということはできません。
さらに、被相続人に借金があると分かっていたにもかかわらず、何も法的処理を取らずに3ヶ月が過ぎてしまうと全ての財産を受け継ぐ意思があると判断されてしまいます。

これを「単純承認」と言い、相続を行う意思がない場合には注意が必要です。
しかし、被扶養者にどれくらいの借金があったのか分からない場合もあるかと思います。
その時には、プラスの財産の範囲内で借金を払い、結果的に財産が残ったら相続するという「限定承認」を行うことができます。
限定承認は相続人全員で行う必要があり、1人でも反対すると手続きができません。

さらに、一切の相続をしたくないという相続人がいた場合、その相続人は無条件で財産を放棄する「相続放棄」を選ぶことができます。
単純承認、限定承認、相続放棄についてお話ししてきましたが、3つの選択肢の中でも限定承認と相続放棄に関しては、自身が相続人であると知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所への手続きを取らなければ無条件で単純承認したことになってしまいますので注意が必要です。

なお、限定承認や相続放棄の前後に相続財産の売却や隠秘を行うと単純承認したことになってしましますので、手続き等が完了するまでは財産には手を付けないことをおすすめします。

まとめ

相続人の確認や相続遺産の把握など、相続するにあたって様々な手続きが必要になってくるかと思います。
これらの手続きは専門家に依頼し代行することも可能です。安心して相続するためにも一度、弁護士へ相談されることをお勧めします。

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