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相続と戸籍~外国人と婚姻した場合の戸籍

2021.05.26
相続と戸籍

戸籍謄本は、相続手続きを行う際に必要不可欠ともいえる資料です。

例えば、相続人を確定するためには、【被相続人の出生から死亡までの戸籍】を不備なく揃える必要があります。

その他にも、被相続人の財産調査や口座の解約手続き時には、多くの銀行や証券会社で【戸籍謄本】の提出が求められます。被相続人の生い立ちが複雑で、戸籍謄本の取得手続きに不安を感じられている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は、【外国人と婚姻した場合の戸籍】にスポットを当てて、ご説明致します。

1.外国人と婚姻した場合、私の戸籍はどうなるの?

外国人と婚姻した場合、日本人である配偶者を筆頭者とする、新しい戸籍が作成されます。戸籍は、人の出生~死亡に至るまでの親族関係を登録・公証するもので、日本国民について編製され、日本国籍をも公証する唯一の制度です。

外国人は日本国籍でないため、通常戸籍に記載されることはなく、日本人は戸籍から削除されることもありません。

しかし、そのままでは外国人との婚姻関係が分からないので、日本人である配偶者の戸籍上の婚姻事項に外国人配偶者の国籍・氏名・生年月日が記載されます。外国人と婚姻しても、日本人の氏は、外国人配偶者の氏に当然には変わりません。

外国人配偶者の氏に変更したい場合は、婚姻の日から6か月以内であれば、市区町村の戸籍届出窓口に届け出る必要があります。

なお、婚姻の日から6か月が経過している場合には、家庭裁判所の許可を得た上で、戸籍届出窓口に氏の変更の届出をすれば、氏を変更することができます。

相続については被相続人の本国法によるため、被相続人が日本人の場合、配偶者の外国人は相続権を有することになります。

2.外国人が日本で婚姻した場合、戸籍の届出は必要なの?

【日本人と外国人】又は【外国人同士】が日本で婚姻する場合、役所の戸籍届出窓口に婚姻の届出をする必要があります。

両当事者に婚姻の要件が備わっていると認められ、届出が受理されると、法律上有効な婚姻が成立します。養子縁組や認知手続きについても同様に、届出が受理されることが必要です。

届出が受け付けされると、日本人と外国人の婚姻の場合、戸籍に婚姻の記載がされます。外国人同士の婚姻の場合には、届書が50年間保存されます。

なお、外国人が日本にある出身国の大使館又は領事館に、その外国の方式により婚姻届出を提出した場合には、戸籍届出窓口への届出は必要ありません。

これらの届出の事実に関する証明書が必要な場合には、届出をした市町村役場の窓口で請求することができます。

3.外国人が日本で出産した場合、戸籍の届出は必要なの?

外国人が日本で出産した場合、必ず出生届を届出る必要があります。
外国人に戸籍はありませんが、日本国内で出産したり、死亡した場合は、戸籍法の適用を受けるため、所在地の市町村役場に、出生の届出又は死亡の届出を提出しなければなりません。

この届出は、市町村役場で10年間保存されます。出生に関する証明書が必要になった場合、届出をした市区町村の窓口で請求が可能です。

4.外国人と婚姻し、海外で子供を出産する場合、戸籍の届出は必要なの?

海外で出産した場合でも、子供が生まれた日から3か月以内に、その国に駐在する日本の大使・公使又は領事か、本籍地の市町村役場に、出生の届出をする必要があります。

日本人と外国人の夫婦の子どもが海外で生まれた場合、父か母のどちらかが日本人であれば、生まれてくる子どもは、日本国籍を取得します。

また、生まれた子が外国人である親の国籍を取得したり、その国で生まれた者すべてに国籍を与える制度を採っている国で生まれた場合には、その子は二つ以上の国籍をもつ重国籍者となります。その場合、日本国籍を失わせないためには、出生の届出とあわせて【国籍留保の届出】を届出る必要があります。

また、重国籍者として生まれた者は、一定の年齢(*)に達した際に、いずれか一つの国籍を選択しなければなりません。

*成年年齢の引き下げ等を内容とする「民法の一部を改正する法律」が成立したことで、令和4年4月1日から、重国籍者として生まれた者は、20歳までにいずれかの国籍を選択しなければならなくなりました。

ただし、令和4年4月1日時点で20歳以上の重国籍者については、22歳に達するまでに(20歳に達した後に重国籍になった場合は、重国籍になった時から2年以内に)いずれかの国籍を選択すれば足ります。

令和4年4月1日時点で18歳以上20歳未満の重国籍者については、同日から2年以内にいずれかの国籍を選択すれば大丈夫です。

5.まとめ

今回は【外国人と婚姻した場合の戸籍】についてご説明させて頂きました。近年、国際化が進み、日本で暮らす外国人や外国で暮らす日本人などが、国際結婚をしたり、出産したりすることが珍しくない時代になってきていると思います。

戸籍謄本の取得手続きに不安を感じられている方は、市町村役場や専門家にご相談されてみるといいでしょう。