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誰がどれだけ相続できるの?

2021.05.14
誰がどれだけ相続できるの?

ご親族が亡くなると相続が発生しますが、実際に誰がどれだけ相続できるのか、判断するのは難しいと思います。
ここでは、相続を受けることができる方やその割合について詳しくご説明いたします。

1.誰がどれだけ相続することができるの?

ご親族が亡くなったときに、相続を受けることができる方を「法定相続人」、受けることができる相続の割合を「法定相続分」、亡くなられた方を「被相続人」といいます。

法定相続人

民法で決められた相続する権利を持つ方を法定相続人といいます。具体的にはどのように相続人を決定するのかご説明いたします。まず、配偶者(被相続人の夫または妻)は必ず相続人となります。なお、婚姻届を提出している配偶者のことをいいますので、内縁の夫や妻は含まれません。

次に、第一順位(直系卑属)の相続人は、被相続人の子となります。(子も亡くなっている場合は孫、さらに下の代になります。)なお、被相続人と養子縁組をした子を養子といいますが、血が繋がっていない養子であっても、被相続人の子であることに違いはありませんので、相続人の1人です。

また、被相続人とは婚姻関係にない男女の間に生まれた子を非嫡出子といいますが、この場合も相続人と認められます。しかし、非嫡出子の場合は、父親が認知をしていなければ相続人と認められませんので、その点は注意が必要です(なお、父親が認知をせずに死亡した場合は、死亡後3年以内であれば子供本人やその母親等が裁判所に訴えを提起して認知させることが出来ます)。

子や孫などの第一順位の相続人がいない場合や全員が死亡していたり、相続放棄をしているようなときは、第二順位の相続人が相続を受けることになります。第二順位の相続人は、「直系尊属」つまり、被相続人の両親や祖父母より上の代をいいます。被相続人に両親がいれば、両親が相続人になり、両親がどちらも亡くなっている場合は、祖父母が相続人となります。ちなみに、配偶者の両親は「直系尊属」ではないため、相続人には含まれませんので気を付けましょう。

第三順位の相続人は兄弟姉妹です。第一順位、第二順位の相続人が1人もいない場合は、被相続人の兄弟姉妹が相続を受けることになります。

親族間での付き合いが少なければ、誰が相続人なのか把握するのが難しいと思いますが、生まれたときから亡くなるまでの被相続人の戸籍を取得すれば、誰が相続人なのか分かりますので、まずはそこから調べてみるとよいでしょう。

法定相続分
  1. 相続人が配偶者だけの場合(直系卑属だけ、直系尊属だけ、兄弟姉妹だけの場合同様)
  2. 法定相続分は全部です。

  3. 相続人が配偶者と直系卑属(第一順位)の場合
  4. 配偶者が2分の1、直系卑属が2分の1となります。

  5. 相続人が配偶者と直系尊属(第二順位)の場合
  6. 配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1となります。

  7. 相続人が配偶者と兄弟姉妹(第三順位)の場合
  8. 配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1となります。

なお、子が複数名いるときは、それぞれの相続分は同じ割合になります。例えば、相続人が①配偶者②長女③次女の3名の場合、それぞれの法定相続分は、①配偶者は2分の1、②長女③次女は、相続分2分の1を2人で分けるので、4分の1ずつということになります。
また、以前は、非嫡出子の相続分について、嫡出子の2分の1と定められていましたが、法改正により、非嫡出子も嫡出子と同等の相続分を受けることができるようになりました。

2.相続人の中に未成年の子がいる場合

未成年であっても相続人になりますので、相続を受ける権利を持っています。

未成年の法律行為は認められていませんので、法定代理人が未成年に代わって手続きを行うことになります。通常の場合、未成年の法定代理人は親権者が務めることが多いです。

例えば、配偶者(夫)が亡くなり、妻と未成年の子の2名の場合、利益相反が生じてしまうため、妻が未成年の子の法定代理人になることができません(利益相反が現実に起きる可能性がなくとも、形式的にその可能性がある以上法定代理人になることはできません)。

このようなときは、家庭裁判所に「特別代理人選任申立」を行う必要があります。特別代理人の申し立ては、未成年者の子の親権者や利害関係人が、子の住所地を管轄する家庭裁判所で行います。

申立書には、特別代理人の候補者を記載することができますが、未成年者との関係や未成年者の利益を守るための職務を適切に行えるかなどを裁判所が判断し、特別代理人が選任されます。なお、親族に特別代理人を頼むことができない場合は、弁護士や司法書士などが引き受けてくれますので、一度相談してみると良いでしょう。

3.内縁の妻は相続人になれるの?

1でお伝えしたように、配偶者は必ず法定相続人になりますが、婚姻届出していなければ内縁関係(事実婚)の妻や夫となりますので、法定相続人とはなりません。

内縁の妻にも何か残してあげたいという場合は、遺言書を作成しておくことをお勧めします。しかし、遺言書で内縁の妻に全てを相続させると記載しても、法定相続人には遺留分を請求する権利がありますので、作成する前に公証役場や弁護士にアドバイスしてもらうと良いと思います。

また、内縁の夫が亡くなり、相続人が誰もいないような場合には、「特別縁故者」として裁判所に申し立てを行うことができます。申立の内容が認められると、被相続人の財産の一部を引き継ぐことができます。ですが、特別縁故者の請求が必ずしも認められるわけではなく、家庭裁判所がどのような判断をするかで決まりますので、注意してください。

4.まとめ

ご親族が亡くなったときに、誰が相続人になり、どのような割合で財産を引き継ぐことができるのかご説明しました。

実際に相続手続きをする際は、誰が相続人なのかを確定させるだけでも大変だと思います。まずはお近くの専門家にご相談され、相続手続きをどのように進めたら良いのかアドバイスを受けてみると良いでしょう。