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戸籍の基本事項について

2021.05.01

亡くなられた方(被相続人)が遺言書を残している場合、その遺言書の内容に従い相続が行われます。遺言書がないのであれば、相続人全員で財産をどのように分けるのか話し合い、誰がどの財産をもらうのかを決めなければいけません。

相続財産の分配について話し合うためには、まず最初に【誰が相続人であるかの確定作業】を行う必要があります。
ここで、相続人を確定するための確認資料として使用するのが【戸籍謄本】です。

一人っ子で「相続人は自分以外にはいない」と思われている方でも、被相続人に前妻の子や隠し子がいる可能性はあります。そのため、本当に自分以外に相続人がいないかを戸籍謄本で確認する必要があるのです。

また多くの銀行や証券会社では、解約手続きの際に必要資料として、【被相続人の出生~死亡までの戸籍謄本】の提出を求めてきます。
今回は、そのような相続と切っても切れない関係である戸籍の基本についてご説明致します。

1.戸籍って何だろう?

【戸籍】とは、国民個人の親族的な身分関係を登録し、証明するものです。

すなわち、自分が日本国籍を有しているという国籍の証明や、親子・夫婦・兄弟姉妹という親族関係の証明ができます。
戸籍は、日本国民の登録と証明をするのため制度のため、日本に居住している外国人は戸籍に記載されません。外国在留邦人は、外国に移住していても、その国の国籍を取得しない限り戸籍に記載されます。

また、戸籍は夫婦と未婚の子によって構成されており、日本人同士が婚姻した場合、夫および妻は、どちらか一方の氏を選択して同じ氏を名乗り、新たに二人の戸籍が作成されます。氏に変更がなかった人が筆頭者となるため、夫の氏を選択した場合は、新たに夫を筆頭者とし、妻を配偶者とした戸籍ができます。

2.住所と本籍って何が違うの?

住所とは、生活の本拠として住んでいるところであり、住民票に記載されている場所です。それに対して本籍とは、戸籍謄本を請求する場合、該当する戸籍を特定するもので、【戸籍がある場所】のことを指します。

本籍は、日本国内であれば、全国の市長村の区域内どこでも自由に定めることができます。例えば、自分の本籍を皇居や神社に置くこともできます。

3.転籍はなんとなくわかるけど、分籍って何?

戸籍法上、本籍の所在地を変更することを【転籍】と言います。転籍は、戸籍筆頭者(*1)およびその配偶者からの届け出によって自由に手続きすることができます 。
また、本籍を変更したい場合は、変更したい市町村に届出を提出する必要があります。戸籍を分ける(戸籍から抜ける)ことを【分籍】と言います。
分籍は、20歳以上の未婚者であれば届出が可能で、基本的には、子が親の戸籍から離れる際に使用されます。

*1 筆頭者:筆頭者とは戸籍の始めに記載される人のことです。この筆頭者の姓が在籍者全員に及びます。

4.戸籍の種類はどんなものがあるの?

①現在戸籍
現在戸籍とは、現在戸籍に在籍している人がいるため、現に使用されている戸籍のことです。
市町村役場によりますが、一般的に450円で取得できます。

また、戸籍謄本と戸籍抄本の2種類があります。

ア ・戸籍謄本 
役所に保管されている戸籍の原本全部(全員の記載事項)。
戸籍に記載されている全部の事項を搭載されたもの全員の身分事項を証明するものです
イ ・戸籍抄本 
戸籍の原本の一部(請求された特定の個人の記載事項)を抜粋して写したもの書面のことです。
例:筆頭者のみを請求したもの

②除籍
除籍とは、婚姻・養子縁組・死亡などにより最終的に在籍者が誰もいなくなった戸籍のことです。
市町村役場によりますが、一般的に750円で取得できます。

③改製原戸籍
改製原戸籍とは、改製原戸籍とは、改正により編製替えされた従前様式の戸籍のことです。
改製の原(もと)になった戸籍ということで【改正原戸籍】と呼ばれています。
戸籍は、社会の変遷や時代の求める様式によって、様式が変わってきました。戸籍の様式が変更されると、変更前の旧様式は閉鎖され新しい様式に沿った戸籍が改めて編製されます。
市町村役場によりますが、一般的に750円で取得できます。

5.戸籍ってどこで取得できるの?誰でも取得できるの?

①戸籍があるのは本籍を管轄する市区町村役場です。そのため、戸籍の謄本等が必要な場合、本籍を管轄する市区町村役場に請求しなければいけません。
②戸籍を請求できるのは、(1)本人(2)第三者による請求(3)弁護士等です。
戸籍を取得するには、筆頭者と本籍が分かっていなければいけません。本籍が分からない場合は、住民票を取得し、本籍地を把握する必要があります。

6.【被相続人の出生~死亡までの戸籍謄本】は、どうやって集めたらいいの?

① 被相続人の最後の本籍地がある役所宛に戸籍謄本の請求して下さい。
戸籍には必ずどこの戸籍から来たか(従前戸籍)が記載されているため、亡くなられた方の最後の本籍地から遡る形で戸籍を集めていくことで、スムーズに戸籍を集めていただけます。

② ①の役所で出生(もしくは必要な年齢)まで遡れなかった場合、取得した戸籍に従前戸籍の記載があるので、その管轄の役所に戸籍の請求して下さい。
亡くなられた方の出生(もしくは必要な年齢)まで遡れるまで戸籍を請求していきます。

7.まとめ

今回は戸籍の基本事項についてご説明させて頂きました。
取得手続きに不安を感じられている方は、市町村役場や手続き代行を行っている、法律事務所など、まずは専門の方にご相談されてみてはいかがでしょうか。