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相続はいつから始まり、誰が対象なの?

2021.03.08
相続はいつから始まり、誰が対象なの?

家族・親類がお亡くなりになると、慌ただしく時間が過ぎていくかと思います。
では、実際そのような状況になった時、何をしていけばいいのかがすぐに分かる人は少ないでしょう。今回は、期限がある手続きや簡単な流れをご紹介いたします。

1.相続はいつから?

相続は、ご家族・親類が亡くなられた事により自動的に発生します。
ご自身が相続人(亡くなった人の財産を受け継ぐ人)に該当するかも考えねばなりません。

 

2.相続人の範囲は?

相続人になれる人は、民法で定められています。
配偶者は常に相続人として扱われます。

第一順位

亡くなられた人の子供(養子も可)
その子供がすでに亡くなっている場合は、その子供の直系卑属(子供や孫など)が
相続人となります(これを「代襲相続」といいます。)。子供も孫もいるときは、亡くなられた人により近い世代である子供の方を優先します。

第二順位

死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など)
父母も祖父母もいるときは、死亡した人により近い世代である父母の方を優先します。
※第二順位の人は、第一順位の人がいないときに限り相続人になります。

第三順位

死亡した人の兄弟姉妹
その兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その人の子供が相続人となります。
兄弟姉妹が亡くなっている場合の代襲相続は、甥・姪までとなり兄弟姉妹の孫は相続
人になりません。
※第三順位の人は、第一順位の人も第二順位の人もいないときに限り相続人になります。

法定相続人であるかは、戸籍謄本で確認を行います。
亡くなられた方の生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍謄本を集め、それを基に確認を行います。
なお、被相続人(亡くなった人)の内縁の配偶者等は、法定相続人とはなりません。
法定相続人となる方が相続を放棄したい場合は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所に相続の放棄の申述をしなければいけません。
相続の放棄の申述をしないで、相続により財産を取得しなかった方はこれには該当しません。
相続を放棄した人は初めから相続人とならなかったものとみなされます。

また、相続人が誰もいない場合(相続人全員が亡くなっている場合、又は相続放棄(後記4)をした場合等)、相続財産は国の財産となります。

近年では少子化の影響で相続人が誰もいないという事例が増加しており、国が換金の末に引き取った遺産額は令和元年で603億円に達し、わずか4年の間で1.4倍に増えています。

3.相続の開始があったことを知った時とは?

一般的には、被相続人が亡くなられたことを知った日が相続の開始があったことを知った日ということになります。自身の知識が乏しく、相続人だということを知らないということは、相続の開始時期を遅らせる理由にはなりませんのご注意ください。

4.相続放棄をした場合、しなかった場合はどうなるの?

相続人が相続放棄の申述を行い受理された場合には、原則として他の相続人が相続放棄をした相続人の財産を承継することとなります。また、ある順位(前記2)の相続人全員が相続放棄をした場合には、次順位の相続人らに相続権が移ることとなります。

相続放棄は、亡くなられた方の負債が多いことを理由に行われることが多いため、他の相続人が相続放棄をしたことによって相続人となった方も、相続の承認をするか放棄するかを判断しなければなりません。放置してしまうと単純承認をしたものとみなされ、相続財産中に多額の負債があった場合にもこれを全て背負うことになりかねません。

気が付いた時には遅かったということにならないよう、被相続人が生前多額の債務を負っていた疑いがあるような場合には、相続を承認するか放棄するかの期限を伸長してもらえるよう裁判所に申立てを行うことが必要となり得ますので、弁護士に相談されることをお勧め致します。

5.相続人は財産をどれくらいもらえるの?

被相続人が遺言をしていたか、相続人間で遺産分割協議が成立したのでなければ、法律上、相続財産は以下の割合で承継されることとなっています。

①配偶者のみが法定相続人の場合

亡くなられた方に配偶者がおり、子供・孫などの直系卑属、親兄弟、祖父母もいない場合は、配偶者のみが法定相続人となり、財産すべてが配偶者の法定相続分となります。

②配偶者と子供が法定相続人

亡くなられた方に配偶者及び子供がいる場合は、配偶者と子供が法定相続人になります。
配偶者の法定相続分は、財産の2分の1、子供の法定相続分の合計は財産の2分の1となります。
※子供が複数人の場合は、合計法定相続分の2分の1を子供の数で均等に分割します。

③子供のみが法定相続人

亡くなられた方に配偶者がおらず、子供がいる場合は、子供のみが法定相続人になります。子供のみが法定相続人となり、財産のすべてが子供の法定相続分となります。
※子供が複数人の場合は、子供の数で均等に分割します。
注意点:子供が未成年者の場合は、本人が遺産分割協議に参加して権利を行使することができない為、法定代理人である親権者が遺産分割協議に参加することが必要になります。
※未成年者は、単独で権利を発生させたり消滅させたりする法律行為を行う能力が制限されているからです。

もっとも、親権者も一緒に相続人として遺産分割協議に参加すべき場合には、未成年者と親権者の間に利益相反(一方の利益になることが他方の不利益になること)が生じるため、未成年者には特別代理人をつけて遺産分割協議を行うことになりますが、特別代理人は誰でもいいというわけではありません。
家庭裁判所において、選任してもらう必要があります。
候補者としては、利益相反のない親族を指定することも可能ですが、特に指定がない場合は、弁護士や司法書士が特別代理人に指定されることが一般的です。

未成年の相続人が複数いる場合は、同じ人物が代理人になることができない為、個々に特別代理人を選任する必要があります。