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旅行会社が倒産したら旅行やお金はどうなるの?

2019.10.01

もし自分が楽しみにしている旅行を手配してもらっていた旅行会社が突然倒産したら、どうなるのでしょうか?

飛行機には乗れるのか…。お金は返ってくるのか…。今日はそんな旅行会社が倒産したときについてお話したいと思います。

1.旅行会社に料金を支払い済みの航空券は使える?

もしも、旅行会社を通じて航空券を購入し、旅行前に会社が倒産してしまったら、購入した航空券は使えるのでしょうか?

まずは、該当する航空会社に問い合わせ、予約や支払いの有無を確認します。
そして、そのときの航空会社の回答によって、以下のように航空券が使えるかどうかは変わってきます。

①旅行会社が航空券の予約・支払いもしていた場合

この場合は、航空券の支払まで済んでいるため、紙の航空券が手元になくても、窓口で情報照会をすれば搭乗券を発券してくれるでしょう。

②旅行会社が航空券の予約はしていたが、支払いをしていない場合

倒産する状況にある旅行会社が、航空券代を支払っている可能性は低いです。
そのため、ほとんどがこの②に該当するでしょう。

この場合、航空券代が支払われていないため、航空券はこのままだと使えません。
航空会社に対して直接支払うか、もしくは倒産した会社から委託を受けた他の旅行会社に航空券代を支払うことで、航空券を確保することは可能です。

しかし、このとき、利用者は既に倒産した旅行会社には航空券代を支払っているのに、航空会社や委託先の旅行会社に対してもさらに航空券代を支払わなければいけなくなるため、いわゆる二重支払の状態になってしまいます。

そのような場合、旅行会社が日本旅行業協会(JATA)に加盟している正会員であれば、一部の料金を返還してもらうことが可能となります。(JATAの返金については後程ご説明します。)

③旅行会社が予約をしていなかった場合

旅行会社が航空券の予約すらしていなかった場合もあります。そんなことがあるのか?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、倒産を見越して予約すら行わない悪質な旅行会社も中にはあるのです。この場合は、新たに航空券を探すところから始めなければなりません。

このように、倒産した旅行会社がどう対応していたかによって、購入した航空券が利用できるのかは異なってきます。
そもそも、航空券を購入したと自分では思っていても、実は予約すらされていなかったなんて場合もありますので、注意しておきましょう。

次に、旅行会社が倒産したとき、両行代金は既に支払い済でこれから行く予定だった旅行や航空券は返金可能なのかについてみていきたいと思います。

2.支払済みの旅行代金は戻ってくるの?

「明日から旅行だ!」と楽しみにしていたのに、旅行会社が倒産してしまい、ホテルや飛行機の予約もされておらず、旅行に行けない…なんてことになった場合、支払った旅行代金はきちんと返ってくるのでしょうか?

答えは「必ずしも全額返ってくるとはいえない」になります。
ですが、「営業保証金制度」と「弁済業務保証金制度」により、必ずしも全額とはいえないにしても、旅行会社からの返金を受けることは可能です。

それでは、それぞれの制度について説明したいと思います。

①弁済業務保証金制度

旅行会社が旅行業協会(JATA)に加入している場合、旅行業協会から、倒産した会社に対して、「弁済業務保証金」が支払われるので、その保証金の範囲内での返金を受けられる場合があります。
弁済業務保証金から返金を受ける場合は、旅行業協会に対して申請を行うことで、申込順に支払いが行われます。

②営業保証金制度

弁済業務保証金と似たような制度に、営業保証金制度というものがあります。
この制度では、まず、旅行会社が開業をするときに、国に対して営業保証金として、予め一定の金額を預けておきます。その後、万が一倒産などで利用客に対してお金を返すことが出来なくなった時(債務不履行といいます)は、預けた保証金の中から一定の範囲内で返金を行うという仕組みです。

営業保証金から返金を受ける場合は、まず該当の旅行会社が登録している行政庁に、所定の申立書を提出します。申立書提出後は、行政庁で一定の手続きが行われ、配当金額が決定します。その後、配当金額の証明書が利用客に対して送付されるので、その証明書を持って旅行会社の登録している法務局に行くことで、返金を受けることが出来ます。

このように、旅行会社が倒産してしまい、旅行が中止になった場合は、返金の余地はありますが、自分から返金を求めなければなりませんので、注意しておきましょう。

最後に、実際にあった旅行会社の倒産について見ていきたいと思います。

3.悪質な「計画倒産」の実例

もしも、旅行の予約を入れて間もなくして旅行会社が倒産したと聞いたら、「騙された!計画的な倒産ではないのか?」と思う方も多いですよね。
確かに、倒産すると分かっていたのに、それでも予約や注文を受け続けて、料金を取る行為はある種詐欺行為のようにも思えます。

実際に、2017年に話題になった旅行会社があります。今は倒産してしまった、「てるみくらぶ」という旅行会社です。

てるみくらぶは、3月21日の新聞にキャンペーンの広告を出しておきながら、一週間後の3月27日に破産申請を行い、謝罪会見を行いました。
このようにたった1週間でここまでの動きがあると、計画的に倒産したのではないかと思われても仕方がありません。

その後、てるみくらぶの社長は詐欺容疑で逮捕されましたが、それは、利用客に対する詐欺行為ではなく、銀行に対する詐欺行為を行ったことによる逮捕でした。
「銀行に対し、経営状態が良いように見せかけて巨額の融資を受け、資金を確保した」という内容です。
また、被害に遭った利用客に対しては、謝罪会見を行っただけで、当時はそれ以上の対応はされていませんでした。

クレジットカード決済を選択していた利用客は、カード会社の対応によって返金され、全額返金してもらえたという例もありましたが、一方で、現金決済を行っていた利用客は、弁済業務保証金制度や営業保証金制度の範囲内でしか返金がなされないので、悔しい思いをしたに違いありません。

4.まとめ

以上のように、一見人気で繁盛しているように思われる旅行会社も、倒産の危機にさらされながら営業をしている、という可能性もあります。
もしも被害に遭ってしまった場合は、支払ったお金を取り戻せるように、取るべき対応を取りましょう。ご自分で判断がつかない場合は、お早めに専門家に相談することをおすすめします。