遺産相続

相続税申告に必要な書類を集めよう~遺産分割に関する書類編~

2019.02.15

前回は戸籍編をお届けしました。
今回は相続税申告に必要な「遺産分割に関する書類」について見ていきましょう。

以前の戸籍編を見るにはこちらから
「相続税申告に必要な書類を集めよう~戸籍編~」

1.なぜ遺産分割に関する書類が必要なの?

相続税は、各相続人が引き継いだ財産の額に応じて額が決まり、各自でその額を納めなければいけません。
そのため、亡くなった方の財産のうち、「どの相続人が」「何を相続したのか」ということがはっきりわからない状態だと、相続税の額を計算することができません。
税務署としても、その根拠資料がないと、正確な金額の計算ができないので、遺産分割がどう行われて、それに応じてこの金額を納税しますということが証明できる書類が必要になるのです。

遺産分割に関する書類としては、以下のいずれかの準備が必要です。
・被相続人の遺言書
・遺産分割協議書
※いずれもコピーで可

被相続人が遺言書を残しておられなかった場合は、遺産分割協議書の作成が必須になりますので、気を付けておきましょう。

2.自筆証書遺言があった場合

必要書類:検認済証明書が添付された遺言書のコピー

被相続人が公正証書以外の形で遺言書を作成されていた場合、開封する前に必ず遺言書の検認手続を行わなければなりません。
遺言書の検認手続は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てを行います。
裁判所での検認が完了した遺言書には、その証明として「検認済証明書」が添付されます。相続税申告に限らず、他の相続手続でも、自筆証書遺言の場合は、この証明書が添付された状態の遺言書が必要になりますので気を付けておきましょう。

万が一、検認手続をせずに開封してしまった場合、遺言書が無効になる可能性もありますので、十分注意してください。

3.公正証書遺言があった場合

必要書類:作成された公正証書遺言のコピー(正本・謄本問わず)

被相続人が公正証書遺言を作成されていた場合は、裁判所での検認手続は必要ありません。
「公証役場で遺言書は作っていたようだけど、遺言書の控えが見当たらない・・・」という場合でも、あわてなくて大丈夫です。
公正証書遺言の場合、遺言書の原本は作成した公証役場で保管がされています。
控えが見つからないときは、遺言書を作成した公証役場に謄本の交付を申請すれば、再度謄本を発行してもらう事ができますので、公証役場に問い合わせてみましょう。(再発行には手数料が数百円ほどかかります)

「どこの公証役場で作ったのかもわからない」「そもそも公正証書遺言書があるかどうかが不明」という場合はどうする?

平成元年以降に公証役場で作成された遺言書については、公証役場にデータが保管されています。
遺言書の有無の確認だけであれば、全国どの公証役場からでも調べることができますので、最寄りの公証役場で確認をしてみましょう。

4.遺言書がない場合

必要書類:遺産分割協議書のコピー

お亡くなりになった方が遺言書を残していない場合、相続人全員で遺産分割協議を行ったのち、遺産分割協議書を作成しなければなりません。

遺産分割協議書作成の際は、以下の点に注意をしましょう。
相続人全員が協議に参加すること
すべての相続人が近くに住んでいる場合は、全員で集まって話し合いをすることも可能かもしれませんが、現実的には集まって話し合いをすることが難しい場合も多いかと思います。
そのため、遺産分割協議自体は、電話やメールなど、直接顔を合わせる形でなくても構いません。
ただし、必ず相続人全員で協議を行ってください。

相続人のなかに、未成年や認知症などで意思能力のない人がいる場合

未成年や意思能力のない人がいる状態で、遺産分割協議を行ってしまうと、協議自体が無効になってしまいます。
そのため、それぞれ以下の代理人が、本人の代わりに協議に参加することになります。

未成年者:法定代理人(親権者)  認知症などで意思能力のない方:成年後見人

協議で決まった遺産分割内容を正しく記入すること
遺産の分け方が決まったら、話し合いでまとまった内容を記入します。
誰の遺産についての話し合いなのか、誰が何を相続するのかについて、漏れがないよう正確に記入しましょう。
協議書の枚数が2枚以上になってしまう場合は、裏面を使わず別紙に記載し、すべての書面をホチキス留めしましょう。

相続人全員が自筆で署名捺印をすること
相続人全員が協議の内容に合意したことを証明するため、遺産分割協議書は必ず相続人が自筆で署名捺印を行ってください。(代理人がついている場合は、代理人が行います)
また、捺印の際は実印(印鑑登録をしている印鑑)を使用し、それが本人の印鑑であるということを明らかにするために印鑑証明書も添付します。
印鑑証明書は郵送での取得はできませんが、印鑑登録カードがあれば代理人での取得も可能です。
また、協議書が2枚以上の場合は、相続人全員が実印で契印(割印)を行ってください。
契印(割印)がないと、書面どうしのつながりが証明できませんので、忘れずに行いましょう。

5.まとめ

亡くなられた方が遺言書を残しているかどうか、残している場合でも遺言書の種類によって取るべき手続が変わってきます。
遺産分割協議を行うとなると、それなりに時間がかかることが予想されます。
万が一、「相続人同士でもめてしまい、自分達だけじゃ遺産分割協議が進まない」など、何かトラブルが起こってしまった場合は、早急に弁護士に相談に行くことをおすすめします。