遺産相続

相続登記は自分でできる?

2019.12.17

相続登記とは、不動産の所有者が亡くなった際に、不動産の登記名義を亡くなった人から相続人名義にすることを言います。
今回は相続登記について具体的に説明をしたいと思います。

1.4種類の相続登記と必要書類

相続登記は「遺産分割協議による場合」「法定相続による場合」「遺言により法定相続人に相続させる場合」「遺言により法定相続人以外に遺贈する場合」の4種類に分かれます。
各々の手続きにより必要となる主な書類の一例をご紹介します。

(1)遺産分割協議により登記する場合

相続人全員で遺産分割協議を行い、協議の結果に基づいて相続登記をすることを言います。

《必要書類》
・被相続人の出生から死亡までの戸籍
・被相続人の住民票の除票
・相続人全員の現在の戸籍謄本
・遺産分割協議の結果、相続する人の住民票
・遺産分割協議書
・相続人全員の印鑑証明書
・固定資産評価証明書

(2)法定相続の割合で登記する場合

各相続人の法定相続分に従い対象となる不動産の持ち分割合を定め、相続登記を行います。

《必要書類》
・被相続人の出生から死亡までの戸籍
・被相続人の住民票の除票
・相続人全員の現在の戸籍謄本
・相続人全員の住民票
・固定資産評価証明書

(3)遺言により法定相続人に相続させる場合

遺言で指定された特定の相続人が対象の不動産の所有者となります。遺言で指定された相続人と被相続人の関係を証明する必要があります。
全相続人を確定する必要がない為、被相続人の出生から死亡までの戸籍は必要にはなりません。

《必要書類》
・遺言書
・被相続人の死亡時の戸籍謄本
・被相続人の住民票の除票
・遺言により相続する相続人の現在の戸籍謄本
・遺言により相続する相続人の住民票
・固定資産評価証明書

(4)遺言により相続人以外の第三者に遺贈する場合

遺言により対象の不動産を取得する権利を得たものが法定相続人では無い場合は、「相続」ではなく、「遺贈」となるため、他のケースと比べ必要書類も少し異なります。
また、遺言書の中で「遺言執行者」を定めているか否かでも変わってきますので注意が必要です。

《必要書類》
(遺言執行者が定められている場合)
・遺言書
・被相続人の死亡時の戸籍謄本
・被相続人の住民票の除票
・権利証または登記識別情報
・受遺者の住民票
・遺言執行者の印鑑証明書
・固定資産評価証明書

(遺言執行者が定められていない場合)
・遺言書
・被相続人の出生から死亡までの戸籍
・被相続人の住民票の除票
・権利証または登記識別情報
・受遺者の住民票
・被相続人の相続人全員の印鑑証明書
・被相続人の相続人全員の現在の戸籍謄本
・固定資産評価証明書

2.相続登記は本人でもできる?

相続登記はご自身で申請する事も可能です。しかし、先に述べたように、相続登記には多数の書類が必要となります。

必要書類を集め、登記する為には役所や法務局に行く必要がありますが、役所や法務局が空いている時間は平日の日中に限られているため、仕事などの都合により物理的に対応を進めることが難しいことも多々あります。

また、登記は厳格な審査と形式を執られ、不備があると登記官とやり取りのうえ補完、訂正の対応が必要となります。
そのため、ご自身で登記をしようとした結果、専門家に依頼する費用以上の労力と時間が必要になる場合もあります。

3.相続登記をしないとどうなるの?

現行法では、放置していたとしても罰則はないものと解釈されています。しかし、相続登記を放置することによって様々な問題が生じるリスクがあります。

《ケース①所有者が亡くなっている不動産を売却する》
所有者が亡くなっている不動産を売却するためには必ず相続登記をする必要があります。

※相続登記には時間がかかるため、急いで不動産を売却しなければならない事情があっても、相続登記をしていなかったために即売却することができず、売却のタイミングを逃してしまうこともあります。

《ケース②不動産を担保に融資を受けたい》
相続登記が済んでいれば、不動産を担保に融資を受ける事ができます。しかし、相続登記が済んでいなければ融資手続きを進めることはできません。

相続登記をせずに放置していても罰則はありませんが、相続登記をしていなかったために後にトラブルに巻き込まれてしまうこともあるのです。

4.おわりに

現行法では、相続登記をしていなくても罰則はありません。
しかし、近年、所有者不明の土地が急増している問題を解消するために民法、不動産登記法を見直そうという動きが法務省から発表されました。

将来、相続登記が義務化されるかもしれませんし、罰則規定を設けられる可能性もあります。今、相続登記が行われていない不動産があれば、「あの時、登記しておけばよかった。」と後悔しないためにも、早めに相続登記をされることをお勧めします。