遺産相続

祖父母の財産も相続できる?

2017.10.12
遺産相続|弁護士ニュース

祖父母の財産も相続できる?

<相談内容>
 ある人が亡くなったとき,その孫も相続をすることができるのでしょうか。
相続について規定する民法では,被相続人(亡くなった人)の子は相続人(財産を受け継ぐ人)となり,子が既に亡くなっている場合は孫が相続人となるとされています。このように,本来相続人となるべき人が相続開始前に死亡している場合に,その子が代わりに相続することを「代襲相続」といいます。

今回は,代襲相続について福岡の弁護士が解説。詳しく見ていきましょう。

1 代襲相続の原因

 まず,どんなときに代襲相続が起きるのかご説明していきます。
代襲相続が起きる原因として最も多いのは,相続人となるべき人が①相続開始前に死亡している場合です。
たとえば,被相続人Aさんが平成29年4月に死亡した場合を考えてみます。Aさんには子ども(BさんとCさんの2人)がいました。しかし,平成28年4月にBさんは亡くなっていました。つまり,Aさんの相続が開始した平成29年4月の時点で,本来相続人となるはずのBさんは既に亡くなっています。このとき,Bさんに子(Aさんにとっての孫)がいれば,その子がBさんに代わってAさんを相続するというのが代襲相続です。

したがって,Aさんに妻がいれば,法定相続分は妻が2分の1,Cさんが4分の1,Bさんの子が4分の1となります。仮にCさんに子どもがいても,Cさんが健在でいる以上代襲相続は起きないので,Cさんの子はAさんの相続人にはなりません。

 他にも代襲相続が起きる原因としては,本来相続人となる者に②相続欠格事由があるときや③相続から廃除されたときがあります。相続欠格や廃除については,また記事を改めてご説明します。
 また,「相続放棄」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。相続放棄を行うと本来相続人となる人も相続をしないことになります。この場合は,初めから相続人にならなかったものとみなされるので,代襲相続は起こらないということに注意が必要です。

2 養子の子の代襲相続について

 上記の事例で,BさんがAさんの養子だった場合を考えてみましょう。養子も実子と変わらず「子」として扱われるので,通常は問題なく相続人となります。しかし,代襲相続については注意が必要です。
 BさんがAさんの養子となった後にBさんの子が生まれた場合は,代襲相続が起こるので結果は上記の事例と全く同じになります。

 一方,Bさんに子どもDが生まれてからAさんの養子になった場合(連れ子Dがいる状態でAさんと養子縁組をした場合),BさんがAさんより先に亡くなっていたとしても,Bさんの子Dは代襲相続できません。なぜなら,代襲相続が認められるためには,代襲相続人が被相続人の直系卑属(子や孫のことです。)でなければならないのですが,BさんがAさんと養子縁組をしても,Aさんと親子関係が生じるのはBさんのみであり,AさんとDとの間には親族関係は生じておらず,AさんにとってDは直系尊属にあたらないからです。
よって,AさんのBさんの養子縁組以前に生まれたBさんの子Dは,「本来相続人となる者の子」(Bさんの子)ではありますが,「被相続人の直系卑属」(Aさんの直系卑属)には当たりません。ですからこの場合には,法定相続分はAさんの妻が2分の1,Cさんが2分の1となります。

3 再代襲とは

 上記の事例で,BさんもBさんの子もAさんの死亡以前に亡くなっている場合はどうでしょうか。このとき,Bさんに孫(Aさんにとってのひ孫)がいれば,その人が相続人となります。これを「再代襲」といいます。BさんもBさんの子,Bさんの孫が亡くなっている場合は,Bさんのひ孫(Aさんにとっての玄孫)が相続人となり,相続人が子であれば,直系卑属がいる限り,代襲相続(再代襲)は続いていきます。

 他方で,相続人が子ではなく兄弟姉妹の場合には,再代襲できる範囲は兄弟の子(甥又は姪)の一代限りですので,注意が必要です。例えば,被相続人Aさんは独身で,兄が1人いたとします。Aさんの相続人となるべき兄がAさんよりも前に亡くなっていた場合,兄の子(Aさんにとっての甥・姪)が相続することになります(代襲相続)。しかし,Aさんの甥・姪もAさんよりも前に亡くなっていた場合,たとえ甥・姪に子どもがいたとしても再代襲は起こりません。
 以上のとおり,相続人が子どもか兄弟姉妹かによって,再代襲できる範囲が変わってきますので,ご注意ください。

4 まとめ

 以上,今回は代襲相続についてご説明しました。代襲相続は通常あまり馴染みがないかもしれませんが,特に被相続人がご高齢の場合など,子が既に亡くなっているということはままあります。また,代襲相続が発生するような場面では,子や孫が複数いて交渉が複雑なケースも多いでしょう。万が一,相続人を見落とした状態で,遺産分割協議が行われていた場合は,当該遺産分割協議は無効となり,せっかく時間をかけて合意ができたものが無駄になってしまいます。
そのため,代襲相続が問題となりそうな場合は,その判断や交渉が困難ですから,相続問題の経験豊富な専門家に相談し,アドバイスをもらうことをお勧めします。

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