遺産相続

相続人になれるのは誰?

2017.10.18
遺産相続|弁護士ニュース

相続人になれるのは誰?

<相談内容>
「遺産相続」という言葉をドラマやニュースなどで耳にしたことがあると思います。ある人が亡くなったとき,亡くなると同時に開始するのが相続です。「相続」とは,亡くなった人(この人のことを法律用語で「被相続人」といいます。)が生前持っていた不動産や預貯金等のプラスの財産や負債等のマイナスの財産を,被相続人の配偶者や子どもなどが受け継ぐことをいいます(受け継ぐ人のことを「相続人」といいます。)。

被相続人の財産を誰がどのくらいの割合で受け継ぐことになるかは,家族構成などによって大きく変わってきます。今回は,様々なケースを見ながら,相続人となるのは誰なのか福岡の弁護士がご説明していきましょう。(なお,ここでは遺言がないケースを想定しています。遺言がある場合は,誰がどのくらいの割合で財産を受け継ぐかについては,基本的に遺言に従うことになるからです。)

1 前提

具体的な事例の前に,法律では相続についてどのように規定されているか見てみましょう。
まず,被相続人に配偶者がいる場合,配偶者は常に相続人となります。
また,親や兄弟,子どもがいる場合には相続人となる優先順位があります。第一が子(既に亡くなっているときは孫),第二が父母(既に亡くなっているときは祖父母),第三が兄弟姉妹(既に亡くなっているときは甥,姪)です。上の順位の人がいるときには,下の順位の人は相続人とはなりません。
そして,相続人の立場によってどれくらい相続するかという割合(この割合のことを「法定相続分」といいます。)が異なってきます。同じ順位の人であれば,等分して相続分を取得します。
これらをまとめたものが以下の表です。

配偶者 配偶者以外の相続人
2分の1 2分の1
父母 3分の1 3分の1
兄弟姉妹 4分の3 4分の1

それでは,具体的なケースを見ていきましょう。

2 事例

⑴ 配偶者と子がいる場合

妻と子ども2人のいるAさんが亡くなり,Aさんは前妻の間にも1人子どもがいたという場合を考えてみます。
このとき,相続人となるのは現在の妻とAさんの子ども3人です。前妻は配偶者ではないので相続人にはなりませんが,前妻との子どもは長年会っていなかったとしても相続人にあたります。したがって,Aさんの財産は,妻が2分の1,子どもが6分の1ずつの割合(子ども3人の合計が2分の1)で相続することになります。

⑵ 配偶者と親がいる場合

妻がいるAさんが亡くなり,Aさん夫妻に子どもがおらず,Aさんの母がいる場合を考えてみます。このとき,相続人となるのは妻と母で,法定相続分は妻が3分の2,母が3分の1となります。仮にAさんの父母とも健在の場合は,父と母が6分の1ずつ(合計で3分の1)となります。

⑶ 配偶者と兄弟姉妹がいる場合

妻がいるAさんが亡くなり,Aさん夫妻に子どもがおらず,Aさんの父母は既に亡くなっているというケースを考えてみます。Aさんに弟が1人いる場合,相続人となるのは妻と弟です。このときの法定相続分は妻が4分の3,弟が4分の1となります。仮に弟が既に亡くなっていて,弟の子ども(Aさんにとっての甥・姪)が2人いる場合には,甥・姪が8分の1ずつ(合計で4分の1)となります。

⑷ 子のみの場合

Aさんが亡くなる前に妻が亡くなっており,子どもが1人いるとします。この場合,Aさんの相続人となるのは子どもであり,相続分は1(すべて)となります。たとえAさんの両親や兄弟がいたとしても,先順位である子どもが優先するため,相続人は子どものみになります。仮に子どもが2人いれば,法定相続分は2分の1ずつ(合計で1)となります。

3 まとめ

以上のように,被相続人の家族構成によって相続人と法定相続分は大きく変わってきます。ですので,身内の方が亡くなった場合は,まずは相続人を確定することが不可欠です。
もっとも,相続人確定の作業は,被相続人の生まれてから死ぬまでの戸籍や,各相続人の戸籍を収集しなければならないため意外と大変な作業です。本籍地を何度も移動させている場合や,相続人の中でさらに相続が発生している場合には,戸籍を何十通も集めなければ,相続人の確定ができないケースもあります。

また,戸籍を収集して初めて隠し子や養子がいた事実が発覚し,一波乱起きる場合もあります。また,そのようにご自身の知らない相続人がいる場合でも,遺産をどう分けるかの話し合いは,相続人全員で行わなければならないため,知らない人相手に話し合いをしなければならず,なかなか負担が大きい作業となります。

以上のとおり,法的には法定相続分や,相続人の範囲は決まっていますが,実際の相続人確定の作業や,その後の遺産分割の話し合いはなかなか一筋縄ではいきません。また,法定相続分が決まっていても,財産には不動産や預貯金など様々なものがありますから,実際にどのように分けるべきかという判断は困難です。
 そのため,相続が発生したときには,早い段階から相続問題の経験豊富な専門家に相談し,アドバイスをもらうことが大事です。

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