離婚・親子問題

子連れ離婚の子どもに関する3つの権利

2019.04.18

離婚は夫婦間の問題だというところにスポットが当たりがちですが、夫婦間に子どもがいる場合は、夫婦だけの問題ではなくなります。親子の問題なのです。離婚の成立後には、夫婦で子どもに関する取り決めを行うことになります。その中でも、子どもに関する事柄で重要なのは親権、面会交流、養育費の3つでしょう。

今回は子どもに関する事柄についてお話ししたいと思います。

  1. 1. 親権   

  2. 親権は、

    父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない

    と民法第819条で定められています。 親権とは、親が子どもを監護・教育し、財産を管理する権利義務であり、離婚の際には、その権利義務を夫婦のどちらが持つのかを決めなければなりません。
    親権者をいずれにするかは、離婚届を提出するときに取り決めて離婚届に記載をしなければ、離婚届は受理されませんので夫婦間でしっかりと話合わなければなりません。
    では、親権を持たない親(非親権者)の立場はどうなるのでしょうか。

  3. まず、非親権者は、通常、子どもの監護をしていないため、親権者に対して毎月養育費を払わなければなりません。親権はなくても、扶養義務があるからです。
    ただ例外的に、親権と監護権を分離して持つことも可能です。
    離婚する際、夫婦双方が親権を欲するケースが多いですが、仕事や子育て経験の問題もあり、父親が現実的に育児をすることが難しいケースも多いです。そのようなとき、父親は親権を持ち、実際の子育ては監護権者として母親が行うという分け方をする場合もあります。

  4. 【親権と監護権を分離するメリット】
    ●実際に子どもを育てない方の親も、子どもとの繋がりを感じることができ、精神的な支えになります。
    ●親権者をいずれにするかで離婚協議が成立しない場合に、両者の気持ちの落としどころとなり、離婚を成立させることができるケースもあります。
    【親権と監護権を分離するデメリット】
    ●親権者の同意が必要な手続きを行う際、実際に一緒に住んでいる監護権者に親権がないため、書類提出などの事務手続きが面倒な場合があります。
    ●母親が監護権者となり、父親が親権者となった場合は、子どもは父親の戸籍に入るため、苗字は親権者である父親と同一となります。つまり、実際に同居している母親と苗字が別々になってしまいます。(家庭裁判所で子の氏の変更は可能です。)
    以上の通り、メリットもありますが、デメリットもあります。親権と監護権を分離することは可能ですが、子どもへの負担等を考えると、分けずに親権者を決めておくのが一番良いといえるでしょう。

    2. 面会交流    

  5. 次に、非親権者と子どもとの関わり方についてお話ししましょう。親権が得られなかったからといって、子どもと顔を合わせられなくなる訳ではありません。非親権者が子どもと接するための面会交流という権利が存在します。
    民法第766条において

  6. 父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。
  7. と規定されています。親の子どもに会いたいという気持ちも大切ですが、民法上は子どもの利益を最優先として面会交流を実施することになります。
    まずは、面会交流を実施するに当たって、その頻度や時間などを取り決めなくてはなりません。そして、取り決めがあるにも関わらず、その約束を守らずに面会交流を拒否してしまうと、間接強制として裁判所から罰金を命じられる場合もあります。

    3. 養育費   

  8. 離婚後、子どもと離れて暮らす親は、子どもが大人になるまでの間、養育費を払わなければなりません。この「大人になるまで」というのは、20歳までと決まっている訳ではなく、ケースバイケースです。あくまで親の子に対する扶養の問題ですから、必ずしも成人するまでと限定する必要はなく、大学や大学院まで進学するのであれば、そこまで親が子を扶養する必要があります。つまり、当初養育費の取り決めを行うに当たって、いつまで養育費を発生させるか、離婚協議や調停の際にその旨をしっかり取り決めておかなければなりません。

  9. 現実的には、取り決められた養育費が問題なく支払い続けられているケースの方が少ないのが現状です。つまり、途中で支払いが滞ることが多いのが養育費なのです。
    そうならないためにも離婚届を出す段階で取り決めた事項を公正証書に残しておくことが不可欠なのです。強制執行認諾文言付き公正証書を残すことで、不払いが生じた際に給与などの差押えを行うことが可能です。公正証書を残していない場合は、家庭裁判所に養育費請求の調停を申し立てます。
    親権は決まっていないと離婚届は受理されませんが、養育費に関しては決まっていなくても離婚届は受理されます。そのため先延ばしにしてしまう方もいるのですが、決めていなかったために後から請求するのが難しい場合もあるのでしっかりと決めておきましょう。

    4. まとめ

  10. 離婚は、子どもがいれば夫婦だけの問題ではなくなります。子どもの将来、幸せを十分に考えて様々な取り決めをしなければなりません。
    親権を持つべきなのはどちらなのか、親権を持たない方の養育費の支払いや面会交流について具体的に決めておくと、後のトラブルも大きくならずに済みます。
    そのためにも、話し合いをするには冷静に1つ1つ取り決めていくことが大事でしょう。