離婚・親子問題

高校生で婚姻なんてお父さん許しません!婚姻に両親の同意はいるの?

2017.08.10
離婚・親子問題|弁護士ニュース

婚姻は何歳になったらできるのでしょうか?高校生3年生の女の子は,婚姻してもいいのでしょうか?自分では大人と思っていても,両親にとって未成年の子供は,まだまだ大人とは思えないものです。今回は,未成年者の婚姻と両親の同意についてお話ししたいと思います。

1 何歳から結婚できるの?

 まず,我が国では,何歳から婚姻することができるのか(婚姻可能な年齢のことを,婚姻適齢と言います。)についてお話ししたいと思います。
 民法731条によれば,男性は18歳,女性は16歳から婚姻は可能であるとされています(この年齢に満たないで婚姻した場合,当事者やその親族,検察官は,その婚姻の取消しを請求することができます。)。
 もっとも,未成年者(20歳未満)の婚姻については,お父さん,お母さん(親権者)の同意が必要であるとされていますので,未成年者であれば,婚姻が可能な年齢にあったとしても,お父さん,お母さんの同意が必要ということになります。

2 父母二人ともの同意がいるの?

 では,お父さん,お母さん二人ともの同意が必要なのでしょうか?
 結論としては,必要ありません。民法737条2項は,「父母の一方が同意しないときは,他の一方の同意だけで足りる」と規定しているので,仮に,お父さんが同意しなくてもお母さんが同意したのであれば,有効に婚姻が成立することになります。
 そのため,タイトルのように頑なにお父さんが高校生の娘の婚姻に同意していなくても,お母さんが婚姻に同意すれば,娘の婚姻は認められることになります。よって,お父さんの願いは叶わず,娘はお父さんの意思とは無関係に結婚することができてしまうことになります。

3 婚姻適齢のあらまし

 民法で現在の婚姻適齢が定められたのは,昭和22年のことです。昭和22年と言えば,終戦直後であり,当時の平均寿命は男性が約50歳,女性が約54歳という時代です。それから約70年が経ち,現在では男性が約81歳,女性が約87歳まで生きる時代となっています。確かに,昭和22年であれば,女性に16歳から婚姻を認めなければ,孫すら見ることができないですね。
 そのような時代の背景がある中で,現在,法務省が2017年通常国会へ女性の婚姻適齢を16歳から18歳へ引き上げる改正案を提出予定としていました。これは,同じく法務省から提出される予定の成人年齢を20歳から18歳へ引き下げる改正案と足並みを揃え,18歳で成人し,18歳から婚姻可能とする制度設計に組み直そうという流れによるものです。結果として,種々の事情を踏まえて改正案の提出は見送られたものの,2021年には婚姻適齢を18歳に引き上げるべく,国としては動き出しております。
 少し話は逸れますが,女性の婚姻適齢を18歳に引き上げた場合,何が起こるでしょうか?2015年に婚姻したカップル63万5000組の内,女性が16歳から17歳のカップルは1357組でした。そして,この大多数が妊娠・出産を理由に早期の婚姻に踏み切っているものと推測されます。だとすれば,今までは妊娠したからという理由で婚姻できた16歳17歳が婚姻できなくなるため,シングルマザーの人数が増える結果となります。そこで,日本としては,母子家庭に対する各種助成制度を充実させる必要性がより高まることでしょう。

4 まとめ

 以上のように,お父さん・お母さんのどちらかだけでも同意してくれれば,未成年者の婚姻も可能になりますが,どうしてもお父さん・お母さんが二人とも同意してくれないということもあります。(やはり,お父さん・お母さんを含めた親族みんなが祝福してくれる結婚が一番幸せです。どちらか一方の同意があれば良いという法律論ではなく,まずは理解を得るという作業を最優先にしてください。)
 以上

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