離婚・親子問題

離婚調停ってどんなもの?手続きにかかる時間と手続きの流れ

2017.06.26
離婚・親子問題|弁護士ニュース

離婚調停ってどんなもの?手続きにかかる時間と手続きの流れ

いくら話しても財産分与の金額や慰謝料の有無・金額、親権などの条件やそもそも離婚するか否かについて話し合いがまとまらないこともあると思います。そのようなときのための手段として「調停」という制度が準備されています。
もっとも,いざ調停をするとなったとしても,調停とは実際にどんな手続なのか,どの程度時間がかかるのか,どんな流れで進んでいくのかといったことがわからず,不安なことも多いかと思います。
 そこで,今回は離婚調停にかかる時間や離婚調停の流れについてお話ししたいと思います。

1 離婚調停ってどんなもの?

離婚調停とは,夫婦間だけで離婚の話し合いができないときに,裁判所に間に入ってもらって,離婚するかどうかやその条件を話し合う手続きです。
 事案にもよりますが,だいたい2,3回程度の調停で離婚調停が成立か不成立かが決定されることが多いように感じます。離婚調停申立て後,約1ヶ月~1ヶ月半で最初の調停期日が行われ,その後1ヶ月~1ヶ月半毎に調停期日が行われるため,離婚調停を申立ててから4~5ヶ月程度で離婚調停が終了することが多いということになります。
もっとも,終了までに要する期間というものも夫婦によって様々であり,離婚調停の1回目で離婚できるものもあれば、1年以上かかっても離婚できない場合もあります。

 

2 離婚調停の申立て

 さて,それでは実際にどのような流れで離婚調停が進んでいくかを見て行きましょう。

(1) 離婚調停の申し立てに必要な書類は?

離婚調停の申し立てをする場合,まず①申立書及びその写し1通を作成する必要があります。申立書の書式及び記載例については裁判所のHPにありますので参考にしてください。申立書の作成は,法律的な知識がなくても記載できるように出来ています。
通常は申立書に加えて,夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書),年金分割のための情報通知書,事情説明書といったものを提出することになるかと思います。このような提出書類は相手方から閲覧謄写申請があった場合,これが許可され,見られてしまうことがあります。そのため,住所を知られたくないような場合などでは知られても差し支えない住所にしておく必要があるでしょう。

(2) どうやって申し立てるの?

離婚調停を申し立てるべき家庭裁判所の場所は,相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は夫婦で合意した家庭裁判所になります。そのため,このいずれかの家庭裁判所に対して,上で説明した申立書(申立書には収入印紙を貼る必要があります)等を提出することになります。

(3) 離婚調停にかかる費用っていくらくらいなの?

自分で離婚調停をする場合,かかる費用は離婚調停全体を通してだいたい5,000円程度になると思います。申立時に必要となる費用は以下の通りです。

① 収入印紙代 1,200円
② 郵便切手代 800円前後

 離婚調停全体となりますと,これらの費用に,必要書類(戸籍謄本,住民票,所得証明書など)を手に入れる費用,コピー代,裁判所に行く交通費、調停調書謄本(省略謄本)を手に入れる費用などがかかるのでだいたい5,000円程度の費用がかかることになります。

3 第一回調停期日

(1) 申立から調停期日決定までどれくらいかかるの?

家庭裁判所から初回期日調整のための連絡があり,家庭裁判所と日程調整のうえ第1回調停の期日が決められます。
申し立てから期日通知書が届く期間は,だいたい2週間くらいになります。調停期日通知書は普通郵便で届きますので紛失しないように注意して下さい。第一回期日はだいたい申立から1か月後くらいに設定されることが多いようです。

(2) 当日の流れ

 だいたい一回の調停期日の時間は約2~3時間程度とされています。当日の流れを持参すべきものを確認したうえで見て行くとしましょう。

ア 調停期日当日に持参するもの
調停期日当日には,以下のものを持参することになります。
① 期日通知書
② 印鑑
③ 身分証明証(免許証、パスポートなど)
 期日通知書には,調停における注意事項も書かれていますので,必ず目を通しておくようにしましょう。

イ 到着したら待合室で待機
裁判所に到着したら,待合室で待機することとなります。調停期日には,夫婦双方が同時に呼び出されることなりますが,待合室は別室となり,通常であれば開始時刻をずらしていますので,顔合わせすることはありません。帰りの時間も含めてどうしても顔を合わせたくない場合には,裁判所に申し出れば,鉢合わせすることもなくなるでしょう。なお,裁判官による手続説明も両当事者立会いの下行われることも多いようですが,どうしても顔を合わせたくない場合,その旨を伝えておけば,裁判所が配慮してくれる場合もあります。以下では,裁判所が別々に手続きを説明した場合を前提にお話ししますが,一緒に手続きを説明したとしても流れが大きく変わることはありませんので安心して下さい。

ウ 申立人の呼び出し
申立人が待合室で待っていると,調停員が部屋に入ってきて調停室に呼び出されます。調停室には,裁判官1名と調停委員2名(基本的に男女1名ずつ)がいます。裁判官たちによる簡単な挨拶のあと,裁判官が,調停の進め方や調停とはどのようなものなのかということを説明してくれます。
その後,離婚調停を申し立てした経緯等について,30分ほど調停委員と話をすることとなります。話が終わると,一度調停室を出て待合室に戻ります。

エ 相手方の呼び出し
申立人が待合室に戻った後,次は相手方が待合室へ呼び出されることとなります。
相手方も申立人と同じように説明を受けたうえで,調停委員が相手方の主張を聞き,申立人の主張を相手方に伝えることになります。この時間も申立人と同様に30分ほどです。

オ 再度の申立人の呼び出し
その後,再度申立人が調停室に呼ばれ,調停委員から相手方の主張を伝えられます。そして,再度,調停委員が相手方の話を踏まえて申立人から話を聞くことになります。この時間も30分ほどになります。運用としては,申立人の話が終わった後に,次回の調停期日を調整することが多いと思われます。この場合,申立人は先に帰ることになります。

カ 再度の相手方の呼び出し
申立人から話を聞いた後,再び相手方が30分ほど調停室に入り,申立人の話を踏まえたうえで調停員から話を聞かれることとなります。
以上の流れで,第1回目の離婚調停は終了となります。場合によっては,調停終了時に,調停委員から第2回目の期日に調停に必要な資料を提出するよう言われることがあります。

4 第2回目以降の調停について

離婚調停においては,なかなか1回で話し合いがまとまることはありません。そのため,たいていの場合,2回目の期日が開かれることとなります。

(1) 第1回目の期日から第2回目の期日までの期間は?

第2回目の期日は,第1回目の期日からだいたい1カ月後に組まれます。この期間は必ずしも1ヶ月と決まっているわけではなく,家庭裁判所の忙しさによって変わることになります。

(2) 第2回調停期日の流れは?

第2回調停期日も前回の第1回期日とほぼ同じ流れで進むことになります。つまり,約30分ずつ,申立人と相手方が交互に2回ずつ話を聞かれるということになるのです。

(3)第2回目の調停終了

2回目の期日でも話がまとまらない場合,第3回目の期日が組まれます。それでもまとまらなかったら第4回…というように進みます。もっとも,どうしても調停がまとまらないときには,次の「5 離婚調停の終了」で説明しますように調停不成立ということで調停手続が終了することになります。

5 離婚調停の終了

離婚調停は,おおよそ以下の3つの場合に終了することになります。

(1) 調停成立

調停での話し合いを経た上で,夫婦双方が合意できると,調停委員会において合意内容を確認し,問題がなければ調停委員会を構成する裁判官と調停委員2名,それに書記官が調停室に行き,裁判官が当事者双方の面前で調停条項を読み上げて,双方にこの内容でよいかを確認します。当事者がよいと答えると,調停が成立し,事件が終了することになります。

ア 調停調書とは?
調停調書とは,離婚調停・養育費請求調停などの家事調停,慰謝料請求調停などの民事調停で当事者の話し合いがまとまった場合に作成される文書のことです。
離婚調停が成立した時点で調停案を作成してくれますので,その内容を確認し,その内容に納得がいけば同意し,少しでも納得がいかないときは同意しないようにしましょう。調停案に同意した場合,離婚調停成立となり,調停調書を作成します。

イ 調停成立のメリット
この調停成立となった場合のメリットは,調停調書に記載されている内容,たとえば養育費や慰謝料の支払いに関する義務を相手が守らなかった場合,強制執行(差押え)できる点にあります。つまり,相手が養育費や慰謝料を払ってくれない場合に相手の給料や貯金を差し押さえて強制的にお金を払わせることが出来るのです。

ウ 調停成立後の手続
調停が成立すると,調停調書が作成されることになります。そして,調停調書作成の時点でその夫婦は離婚したことになります。
 もっとも,離婚届は別途提出する必要がありますのでご注意ください。離婚調停が成立した場合,調停の申立人は,調停離婚成立後,10日以内に夫婦の本籍地又は届出人の住所地の市区町村長に調停調書の謄本を添えて調停で離婚した旨の届出をする必要があるのです。なお,調停によって相手方が届出をすると決めることも可能です。
 期限を過ぎて提出してしまった場合,過料(罰金)を科される場合がありますので注意してください。

(2) 調停不成立-離婚調停が不成立になった場合どうなるの?

夫婦間で合意が成立する見込みがない場合又は成立した合意が相当でないと認める場合,調停不成立として事件を終了します。このように離婚調停が不成立になってしまった場合,①裁判に移行する,②審判に移行する,③再度、夫婦間で話し合いを行うといった方法が考えられます。以下,それぞれどのようなものか見てみましょう。

ア 裁判離婚に移行する
離婚調停が不成立となった場合,通常,離婚裁判を起こすことになります。もっとも,裁判離婚において注意しなければならないのは,裁判では法律的知識が要求されるという点です。そのため,裁判で離婚しようとするときには基本的には弁護士に依頼すべきでしょう。
もっとも,裁判離婚のメリットは,筋が通らない主張や嘘の主張を排斥できることが多いという点です。裁判所が証拠に基づき公正に判断を下してくれるので,妥当な判決を獲得できる可能性が高いと言えるでしょう。

イ 審判離婚に移行する
離婚に関しては夫婦で合意しているものの,親権や慰謝料の支払いといった離婚条件で合意が出来ず,調停不成立になった場合,審判という手続きもあります。
 しかし,審判は家庭裁判所が相当と考えた時に認められるものであり,例外と考えた方がいいでしょう。

ウ 再度、夫婦間での話合い
一応,もう一度夫婦で話し合うという方法もあります。しかし,離婚調停でも話がまとまらなかったのであれば,夫婦間で話し合ったとしても解決は難しいでしょう。

(3)調停の取り下げ

相手方の同意なく調停の申立てを取り下げることが出来ます。なお,調停を取り下げた場合であっても,再度,調停の申立てをすることが出来ます。もっとも,離婚訴訟を提起することも考えているときには,必ず裁判所にて「事件終了証明書」の申請と取得をしておきましょう。

6 まとめ

いかがでしたでしょうか?離婚調停は上でも書きましたように法律家でなくても行うことが可能ではあります。しかし,仮に離婚調停がまとまらなかった場合の手続きである審判や裁判は法律に基づいて進行することになるため,調停段階でのミスが後々不利益に働くこともないとは限りません。また,調停委員も人生経験豊富で適切な解決を目指してくれるのですが,あくまで中立的立場にある人であり,味方の専門家ではありません。ですので,調停でまとまったものが,あなたにとって本当に適切な解決でないこともあり得ます。
たしかに,調停手続で弁護士に依頼すると自分でするよりも費用が多くかかってしまうことになります。しかし,離婚はあなたの一生に関わるものであり,子供の親権であったり,どうしても伝えたいことであったりお金に換えられないものが関係してきます。
したがって,調停離婚は本人でもできるからといって安易に自分で行うのではなく,経験豊富な弁護士に依頼することをお勧め致します。
以上