離婚・親子問題

離婚が破産につながる!?原因は住宅ローン!!

2019.01.08

離婚の話が持ち上がったら、養育費や慰謝料のことなどが優先的になり、不動産や住宅ローンについてはどうしても後回しにされやすいものです。しかしながら放って置くとトラブルに巻き込まれることも!
今回は、離婚時に気をつけたい不動産や住宅ローンについてお話しします。

1.はじめに

日本において「離婚」といえば、離婚について話し合って役所へ離婚届けを提出して成立する「協議離婚」、家庭裁判所における離婚調停で離婚が成立する「調停離婚」、家庭裁判所の裁判官の判断によって離婚が成立する「裁判離婚」の3種類があります。
その中でも、日本における離婚の大半は「協議離婚」であり、離婚全体の9割を占めます。
「協議」離婚と言うからには、話し合って離婚が成立するのですが、離婚するか否かだけでなく、その他離婚に付随する様々な事柄を話し合うことになります。その「協議」される内容としては「子の親権・養育費」「慰謝料」「財産分与」などがあります。
簡単にだけ説明しておきましょう。

まず、「親権」は、両親のいずれが離婚後に子供の親権を持つのかを協議します。そして、親権を持たなかった方の親は、現実に子供を育てないため、代わりに子供を育てる方の親に対して養育費を支払うことになります。
次に、「慰謝料」とは、有責行為(浮気・DV・生死不明など)で離婚の原因を作った側が配偶者に支払う賠償金です。
また、「財産分与」については、離婚の原因にかかわらず、夫婦で築いた共有財産を公平に分与することになります。
《対象となるものの例》
不動産や家具、預貯金、車、有価証券、保険解約返戻金、退職金etc.

離婚後、特にトラブルになりやすいのが不動産に関する問題です!一般的に、離婚される家庭は、高齢者の離婚でない限り、住宅ローンの残債が残っていることが普通でしょう。このとき、住宅ローンは残債額が何千万単位と多額であるため、その処理において紛争の火種となり得ます。
「売却すれば、問題は解決するのでは?」と考えられる方も多いかもしれませんが、
新築で購入した場合、少しでも住めば中古物件です。一気に価値が下がって、もはや売却しても住宅ローンの残債額の方が多いという状況があり得ます。住宅ローンが物件価格(時価)をオーバーしている場合(※オーバーローン・債務超過と言います)、売却しようと思うと、通常、売却代金で足りない分は一括で返済しなければならないので、離婚が破産につながる原因のほとんどが住宅ローン!というのはこれが原因です。

2.離婚の話が持ち上がったら、確認してほしいこと

皆さんは、不動産に関する権利関係、契約内容を正確に認識されていますか?
離婚の話が持ち上がったら、不動産に関する問題を冷静に把握、整理することが大切になります。そこで、まず確認してほしいことを記載します。どれだけ正確に認識できているか、ぜひチェックしてみてください!

 □不動産の取得時期はいつだった?
 □不動産の購入代金はいくらだった?
 □不動産を購入の際、頭金は支払った?
 □頭金は誰が支払った?
 □頭金は支払わず、フルローンを組んでいる?
 □土地・建物の名義はどうなっている?(共有名義?単独名義?)
 □担保権(抵当権や差押え)の有無はどうか?
 □住宅ローンの残高はいくら?
 □住宅ローンで連帯保証人の有無はどうか?(登記簿謄本に載らない)
 □住宅ローンで連帯債務者の有無はどうか?(登記簿謄本に載る)
 □住宅ローンの完済時期はいつ?
 □不動産の査定はいくら?
 ……。

いかがでしたでしょうか?結構たくさんチェックすべきことがありますね。
マイホームを手に入れられる喜びでいっぱいで、権利関係などを十分に把握していない方が少なくなく、離婚後、不動産トラブルに巻き込まれてしまう方が多くいらっしゃいます。
そこで、不動産の名義や住宅ローンの契約内容、保証人など現状がどのような権利関係になっているのかしっかり確認してほしいのです。
不動産の権利関係や内容は法務局で不動産の登記簿謄本を取得して調べることができます。売却の予定があるのなら、不動産業者に土地・建物の査定をしてもらい、あらかじめ資産価値を把握しておくとよいでしょう。

3.養育費等とは話が違う!破産のリスクが一気に高まるローン残債問題!!

離婚の話が持ち上がったとき、どちらかに離婚原因があったら慰謝料について、子供がいるときは親権・養育費についてが争点になります。不動産の話はどうしても後回しになりがちです・・・。
預貯金や車、家財などの財産分与は分与した時点で終わります。慰謝料や養育費については、話し合いで双方の納得が得られれば、分割での支払いは可能です。
しかし、住宅ローンは契約している相手が金融機関です。金融機関にとって、夫婦の離婚は関係のない話ですよね。金融機関は、自分が住むための自宅購入資金であり、自宅を守るためには頑張って返済をしてくれるであろうとの前提から、極めて低金利で住宅ローンを組ませてくれるのです。これが滞ったり、約款違反があれば、一括で返済を求められます。

例えば、住宅ローンを残したまま離婚した元夫婦
 元夫:債務者。家を出てローンを返済し続けている。
 元妻:連帯保証人。子どもと自宅に住み続けている。  場合・・・

→元夫が何らかの理由で返済しなくなると、金融機関は期限の利益を喪失したとして、元夫に対して一括支払いを求めます。しかし、元夫が返済できないとなると、自宅に住んでいる元妻に対して連帯保証人として一括で支払うよう請求してきます。
住宅ローンを組んでいる以上、自宅に抵当権を設定しているでしょうから、支払えない場合は、金融機関が抵当権を実行して自宅を競売にかけ、もしそれでも残債が返済しきれない場合には、自己破産に一気に突き進んでしまう危険性があります。
こうなってしまう前に、住宅ローンを借り入れている金融機関に連絡して、契約内容を確認することです。借入状況、照会時点までの返済履歴などがわかりますし、借り換えなどをして契約内容が変わっている場合もあるので契約書類一式を必ず確認しましょう。

4.まとめ

離婚の話が持ち上がったら、後回しになりがちな不動産に関する問題を冷静に把握、整理するために、権利関係、不動産の内容を登記簿謄本で確認!!
売却する予定があれば、資産価値をあらかじめ把握!!
住宅ローンを借り入れている金融機関で借入状況や契約内容を確認!!
今、誰が、どのくらい債務を負っているのかをしっかり認識すること、これが、離婚後、不動産に関するトラブルに巻き込まれないためにとても大切なことなのです。

 

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