離婚・親子問題

絶対に親になりたい!親権者はどうやって決めるの?

2017.08.17
離婚・親子問題|弁護士ニュース

離婚をする際には,「子供をどちらが引き取るのか?」という話が大きな話題になることがよく見られます。これは法律的には,「親権・監護権」をどちらが持つかという問題になります。そのため,今回は,子供を引き取るため,親権・監護権の内容やその決め方などをお話ししたいと思います。

1 親権ってなあに?

「親権」という言葉は,日常的にもよく用いられていますが,これを定義すると,未成年者の子供を監護・養育し,その財産を管理し,その子どもの代理人として法律行為をする権利義務のことを言います。一見すると親の権利のように見えますが,子供が社会に出て生活できるように育てるという意味で親の義務という側面もあります。
成年に達しない子供は親の親権に服することになり,その親権は父母が共同して行使することが原則です。ただし,父母が離婚する場合,父母が共同して親権を行使することはできませんから,父母のいずれかを親権を行使する親権者として定める必要があります。そのため,父母が協議上の離婚をする場合は,その協議で親権を行使する親権者を定め,裁判上の離婚をする場合は,裁判所が父母の片方を親権者と定めることになります。
具体的な親権の内容としては,身上監護権と財産管理権の2つがあります。

〈身上監護権〉

① 居所指定権(親が子供の居所を指定する権利)
② 懲戒権(子供に対して親が懲戒・しつけをする権利)
③ 職業許可権(子供が職業を営むにあたって親がその職業を許可する権利)
④ 身分法上の行為(婚姻など)に関する同意権,代理権
などがあります。要するに,子供の肉体的な生育を図る監護と精神的な成長を図る教育を含むものがこれにあたります。

〈財産管理権〉

①  包括的な財産の管理権
②  子供の法律行為に対する同意権(民法5条)

2 親権者を決める手続

協議離婚の場合,話し合いにより夫婦のどちらか片方を親権者と決めます。未成年の子供がいる場合に離婚をするためには,親権者も同時に決めないと離婚はできません。離婚届には親権者を記載する欄が設けられており,親権者を記載しなければ離婚届自体を,役所で受け付けてもらえないからです。
離婚の際に取り決めるべき条件は複数あり,財産分与・慰謝料等については,離婚後に条件を決定することも可能ではありますが,親権者の決定だけは離婚する際に絶対取り決めねばなりません。

もっとも,親権者をいずれにするかが話し合いで決まらない場合,親権者の指定を求める調停を家庭裁判所に申し立て,裁判所における調停の話し合いを通じて親権者を決めていくことになります。親権の帰属は離婚の条件でも重要なものですので,親権をどちらにするか決まらない場合には,離婚調停の申立をしてしまって,その調停の中で親権の話し合いもしていくことになるでしょう。
親権者の決定について調停でも折り合いがつかない場合,親権者指定の審判手続に移行し,裁判所の判断により親権者を指定してもらうことになります。また,離婚調停で親権者の折り合いがつかず,離婚の条件がまとまらないために離婚調停が不調に終わったような場合,離婚訴訟を提起して離婚の成否や離婚の条件について争うことになります。このときに,離婚の条件のひとつとして親権をどちらにするかを裁判所に判断してもらうよう申立をすれば,裁判所が判決で親権者をどちらにするか決めることになります。

3 どうやって親権者って決めるの?

 では,調停がまとまらない場合,裁判所はどうやって親権者を決めているのでしょう。
 親権者の指定においては,子供の利益を最優先して考慮されなければなりませんが,だいたい裁判所の判断が必要になる事案においては,父母ともに子供に対する愛情と監護能力を有していることが多いため,下記の事情を総合考慮して決めることになります。

〈父母側の事情〉

監護能力,監護態勢,監護の実績(継続性),(同居時の)主たる監護者,子供との情緒的結びつき,愛情,就労状況,経済力,性格,生活態度など

〈子供の側の事情〉

年齢,性別,心身の発育状況,従来の養育環境への適応状況,監護環境の継続性,環境の変化への適応性,子供の意思など

また,15歳以上の子供の親権を審判や訴訟で定める場合には,裁判所が子供本人の意思を聞く必要があります。そのため,子供の年齢が上がれば上がるほど,親権者の決定には,子供自身の意思がかなり重要となってきます。なお,逆に子供が幼ければ幼いほど,親権の争いについては母親が有利といわれています。

4 まとめ

 以上のように,子供の親権がどちらになるかは様々な事情を考慮して決定されるものですから,事案にあった的確な主張をすることが求められます。そのためには,同種事案について経験豊富な弁護士に相談して,事情を説明することが大事になってくると思われます。子供の親権者が誰になるかというのは,親だけでなく,子供の一生を左右する重大な問題です。なお,親権に関する争いを見ていると,「自分が育てた方が子供のためになる」という主張ではなく「あんな父親が育てては,子供がダメになる」といった,相手方の人格批判に近い主張がよく見受けられます。どのような母親でも父親でも,子供にとっては大切な母親と父親です。親権者をいずれにするかは,子供のための問題ですので,相手方に対する感情論は横に置いて,客観的に子供の将来にとって良い結論を導くことができるよう,心掛けましょう。
以上

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