離婚・親子問題

外国人の配偶者と離婚するときに知っておきたい知識!

2017.08.20
離婚・親子問題|弁護士ニュース

現代日本では,国際化の影響を受け,昨年にも2万組を超える日本人と外国人の夫婦が結婚し,国際結婚が身近なものになってきています。しかし,何も幸せな話ばかりではありません。国際結婚が増えるにつれ,どうしても国際離婚の数も増加しています。そこで,今回は,離婚後も後悔をしないために外国人の配偶者と離婚する場合に知っておきたい知識をご紹介したいと思います。なお,前提として夫婦とその子供が日本で暮らしているものとします。

1 子供の問題

 まず,外国人の配偶者との離婚で気になるのがお子さんのことだと思います。日本人同士の場合と異なり,外国人との離婚となりますとどうしても国を跨ぐことが多くなりますので,子供に会うのが難しく問題が大きくなってしまいます。そのため,知識を身に着けることで後悔を防ぎましょう!
 まず,前提としてお話ししておきたいのが,子供の親権や面会交流といった親子関係については,通則法32条が適用されることが多く,子供が日本国籍を有する場合には日本法に従うことになると考えられることが多いということです。このように判断された場合,子供が日本国籍を有している場合は,親が外国人であったとしても,日本人同士の両親の子供と同様に考えることが出来ます。そのため,以下は通則法32条が適用されることを前提としてお話しさせて頂きます。

(1) 親権

 先程申しましたように,子供が日本国籍である場合,親権については日本法が適用されることになります。そのため,父母が離婚する場合,未成年の子供がいるときは,父母の一方を親権者と定めなければなりません(民法819条1項,2項)。
 他方で,子供の国籍が外国人配偶者の親と同じである場合,その外国の法律が適用されることになります。このときは,適用される外国法を基に検討することになります。
 これらのいずれでもない場合,通常,子供は日本にいることが前提でしょうから,日本法が適用されることになります。

(2) 面会交流

 先程申しましたように,子供が日本国籍である場合,面会交流についても日本法が適用されることになります。例えば,離婚後に子供の親権者に日本人の親がなった場合,外国人である方の親には子供との面会交流権が原則として認められることになります。
 もっとも,日本人の両親の場合と同様,子供が同居する親権者とその再婚相手と暮らしており,面会交流を許すと心理的な混乱を招く恐れがあると考えられる場合などには例外的に面会交流が認められないこともあります。

(3) 養育費

 今までは通則法32条が適用されることを前提としてお話しさせて頂きました。しかし,養育費の場合は,親族関係から生ずる扶養義務については,扶養準拠法という特別法が制定されており,通則法の適用がありません。そのため,養育費については,通則法32条が適用されないことになります。
 すなわち,扶養を受ける子供の「常居所」地があるときは,その常居所地法によることになります。常居所とは,人が常時居住する場所で,相当長期間にわたって居住する場所を言います。
例えば,子供が日本に相当長期間にわたって居住しているのであれば,日本法が適用されることになります。このような場合は,未成年の子供は親に扶養を請求する権利を有していますから(民法877条),これに従って養育費を請求することができます。
 もっとも,養育費については,子供が今後どの国で養育されるのか,外国人配偶者が外国に行ってしまった場合,外国人配偶者の財産が外国にある場合など当該外国の法律をもとに考えなければならず,専門的な知識を必要とします。

2 お金の問題

 離婚には子供の問題だけでなく,どうしてもお金の問題も関係してきます。そのため,次はお金に関する問題について説明しておきましょう。

(1) 慰謝料請求

 離婚に伴う慰謝料については,①離婚そのものによる慰謝料と②離婚に至るまでの暴力や不貞行為と言った個々の不法行為による慰謝料の二つがあり,これらは分けて考えられています。そのため,以下では,この2つを峻別して説明させて頂きたいと思います。

ア 離婚そのものによる慰謝料
 離婚そのものによる慰謝料は,離婚の際における財産的給付の一環をなすものですから,離婚の効力に関する問題として離婚の準拠法の適用を受けることになります。そのため,夫婦が日本に住んでいる場合,離婚そのものによる慰謝料については,日本法に従って判断されることになります。

イ 個々の不法行為による慰謝料
 この場合,どこの国の法律を適用するかについて考え方が分かれており,問題が生じます。つまり,暴力,不貞行為などの不法行為が日本ではなく,外国で行われた場合,どこの国の法律を適用するかについて見解が分かれているのです。
 そのため,例えば,韓国で夫から妻に対して暴力が振るわれ,日本で離婚するといった場合,韓国法を適用すべきか,日本法を適用すべきかが争われることになるのです。どちらを適用すべきと主張するかは,日本法だけでなく韓国法についても詳しい知識が必要となりますので,専門家に相談するようにしましょう。

ウ 慰謝料の金額
 外国人との離婚の慰謝料が争われる場合,日本とその外国人の本国の物価の違いが慰謝料に影響するかが問題となりますが,これについては具体的事例を見てみないことには結論を話すことがどうしても困難です。ただ,あまり物価の違いが影響することは少ないかと思います。

(2) 財産分与請求

 財産分与請求も,離婚そのものによる慰謝料と同様に,離婚の準拠法の適用を受けることになると考えられています。そのため,夫婦が日本に住んでいる場合,財産分与についても,日本法に従って判断されることになります。

3 まとめ

 いかがでしたでしょうか?今回は,外国人配偶者と離婚する場合の注意点についてお話しさせて頂きました。国際離婚は,どうしても日本法だけではなく外国法の知識も必要となってしまいますので,専門家に依頼しなければ対応することが難しいと思います。
 とりわけ養育費においては複雑な知識が求められる一方,慰謝料請求については裁判例が分かれており,適切な法的主張が求められる場面が多く存在しています。そのため,専門家の中でも経験豊富な弁護士に依頼することが求められます。
 そこで,一度,経験豊富な弁護士に相談するようにしましょう。
以上

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