離婚・親子問題

別れた妻が再婚したのですが養育費って支払わないといけないのですか?

2017.08.19
離婚・親子問題|弁護士ニュース

「離婚後、養育費を支払っていたのに,別れた妻が再婚し,経済的に豊かになったのに同額の養育費を支払い続けないといけないの?」このようなお悩みをお持ちの方は決して少なくないと思います。養育費は長年にわたって支払われるものですので,同額の養育費を支払うことが不適切な場面もあります。そこで,今回は,養育費を受け取っている元妻が再婚した場合,養育費を減額することが出来るかお話ししたいと思います。

1 一度決めた養育費の額って変更出来るの?

(1) 養育費の額って変更出来るの?

 養育費は,長期間にわたって支払われるものです。そのため,離婚当時に予測できなかった個人的,社会的事情の変更が生じたと認められる場合,養育費の額を変更することが可能です。

(2) 変更できるのってどんな場合?

 先程も申しましたように,離婚当時に予測しえなかった個人的,社会的事情の変更が生じたと認められる場合,養育費の額を変更することが認められます。
 具体的には,
・ 支払う側の勤めていた会社が倒産したことによって収入が大きく減った
・ 支払う側が大怪我をしてしまった事によって収入が大きく減った
・ 子供が病気や怪我をして入院・その他の医療費が必要になった
などの事情が認められる場合,養育費の金額を変更出来る可能性があります。

2 別れた妻が再婚した場合、養育費の減額は請求できるの?

 では,別れた妻が再婚したことは養育費の減額事情に当たるのでしょうか?
 子供を育てている親が再婚したかどうかは,養育費を支払っている親の扶養義務に直接、影響を与えるものではありません。そのため,養育費を受け取っている別れた妻が再婚したとしても,必ずしも養育費を減額できる訳ではありません。

(1) どのような事情があれば養育費の減額を請求できるの?

 子供を連れて親が再婚しても再婚相手と連れ子との間に,当然には親子関係は発生せず,養子縁組をして初めて法律上の親子関係が発生します。養子縁組により,養親である再婚相手が連れ子に対して扶養義務を負うのは当然ですが,それにより実親の扶養義務が当然になくなる訳ではありません。
 ただし,再婚により,通常,子供は養親と共同生活をしながら扶養されることになりますので,養親が一次的に扶養義務を負い,実親は二次的な扶養義務者になると考えられます。そのため,再婚相手が養子縁組をした場合,養育費の減額を認めた審判例があるなど裁判所においても養育費の減額を認める傾向にあると言えます。

(2) 養子縁組をしていないと養育費は減額出来ないの?

 もっとも,再婚相手との間で養子縁組がなされていないとしても,減額が認められない訳ではありません。養育費が減額されることになるかは,元妻の再婚相手が経済的に余裕がある場合,元妻の収入が離婚時に比較して増えている場合など再婚後の経済状況が良好であること,養育費を支払っていた元夫の収入が大きく減少している場合や元夫も再婚して扶養する家族が増えた場合など元夫側の経済的状況が悪化したことといった事情を考慮して判断されることになります。
 例えば,再婚相手が養子縁組はしないものの,経済的に豊かで子供の養育費を含め,生活費全般を負担する意思も能力もあるような場合には養育費の減額請求が認められる可能性があります。

3 養育費減額はどうやってすればいいの?

(1)まずは話し合い!

まずは,元妻に養育費の減額をしてもらえないか話し合いを持ちかけてみましょう。話し合いに際しては,あまり感情的にならず,あなたの収入が離婚時よりも減少していることの資料(給与明細、収入証明など)を示して説得するようにしましょう。

(2)話し合いでまとまらなければ、養育費減額調停!

いくら話し合いをしても,元妻が減額を拒むような場合やそもそも話し合いが出来ない場合,養育費減額調停の申し立てをしましょう。
養育費減額調停を申し立てるにあたっては,以下の資料を揃えるようにしましょう。
・ 養育費調停申立書
・ 事情説明書
・ 調停に関する進行照会書
・ 未成年者の戸籍謄本
・ 申立人の収入関係資料(源泉徴収票、給与明細など)
・ 収入印紙(子供一人につき1,200円)
・ 郵便切手代(800円前後)
これらの資料を揃えたうえで,元妻の住所地の家庭裁判所に養育費減額調停を申し立てるようにしましょう。なお,離婚の際に,申立てをする裁判所を定めていた場合には,その家庭裁判所に申し立てることになります。

4 まとめ

今回は別れた妻が再婚した場合に養育費を減額することが出来ないかお話しさせて頂きました。子供が再婚相手に引き取られたとしても,あなたも子供の親である以上,経済的に援助をしたいと思うところでしょう。しかし,そうは言っても養育費の負担は経済的に重いものだと思います。そのため,少しでも負担を減らしたいというのが人情でしょう。
もっとも,養育費の減額を認めさせるのは決して容易ではありません。自分で交渉しようにも一度別れた相手との交渉になりますからお互いどうしても感情的になってしまい,話し合いを行うのは困難でしょう。しかし,交渉経験の豊富な弁護士に依頼することで養育費の金額だけでなく,その他の支払方法などの細かい事情についても調整することが出来る可能性があります。
交渉経験豊富な弁護士に相談してみてはいかがでしょうか?
以上

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