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商標登録ってどうやるの?

2019.01.23

普段私たちが目にするブランドのマークや、商品名(=ネーミング)などは「商標権を獲得」=商標登録することによって、そのブランドの価値や、商品の持つイメージの独自性が保たれています。
商標権の獲得は早い者勝ちなので、売り出したい商標が決まったら、すぐに商標を出願するのがおすすめです。
今回は、商標登録に関係が深い士業である「弁理士」、商標登録の手順、そして最後に私たちも日常の中でやってしまっているかもしれない商標権の侵害について説明していきたいと思います。

1.商標登録と弁理士

知的財産権のうち、産業財産権に分類される商標権は、特許庁で管理されています。
ですから、私たちがよく知るブランドのロゴや、商品のデザインなど、様々な商標はみな特許庁に商標登録の申請をし、申請承認されることで守られているのです。
「特許」や「権利取得」と聞くととても専門的な響きがして、複雑な行程を踏まないといけないのでは?と思う方もいるかもしれません。
しかし、実は出願の手続き自体は、所定の様式の書類を記入し、印紙を貼りつけて提出するだけなので、個人で申請することも可能です。

知識や下準備不足で商標登録の申請をした場合、既に同一・類似商標が登録されていたり、不備があると申請が拒絶されたりすることもあり得ます。
こういった事態を自分の力で防ごうとすると、時間や労力がかかってしまいます。また、新たに申請をするとなるとさらに費用もかかります。

そこで登場するのが「弁理士」です。
弁理士とは産業財産権にかかわる全ての事務手続きを代理で行う事ができる国家資格所有者のことです。商標登録代行は弁理士の独占業務です。専門知識のもと、一連の業務をすべて代理で行ってくれるので、自力でやるより時間や労力が省けます。
また申請が拒絶されるリスクもぐっと下がるでしょう。依頼するとなると、費用こそかかりますが、1回の申請で審査に通り、申請費用が無駄にならないと考えると高くはないでしょう。

2.商標登録のステップ

先ほど、登録申請には下準備が必要だと述べましたが、商標登録の申請から承認までには具体的にどのようなステップがあるのかを見ていきたいと思います。
大まかな流れは、①先行商標調査 ②出願 ③審査 ④登録となります。

① 先行商標調査

先行商標調査は商標登録をする上で一番大切なステップです。
先ほど述べた通り、先行商標調査では、自分が登録申請しようとしている商標と同一・類似のものが存在しないかを調べます。
もし既に登録してあることが分かれば、見込みのない出願をしないで済みます。確認がとれたら、商標の区分、指定商品、指定役務(役務=サービス)を検討します。

例えば、文具メーカーが、ボールペンの名称を登録出願する際は、
【第16類】(主に文房具が属する分類)、
【指定商品・指定役務】ボールペン
と設定することが考えられます(一例)。

商標登録の出願は、「商標登録を受けようとする商標(=マーク・ネーミング)」と共に、指定商品・指定役務その商品を使用する区分を指定しなければならないのです。

② 出願

登録したい商標が他と被っていないと判明し、区分の指定も完了したら、いよいよ出願です。
出願は、書類での出願とインターネットでの出願の2種類があります。
今回は主流である書類での出願の流れについて説明します。
 (1)  商標登録願の作成を行います。様式が決まっているのでそれに沿って作成します。
 (2) 「特許印紙」を購入し指定の箇所に貼り付けます。
 (3)  特許庁に提出します(窓口へ直接持参もしくは郵送でも可能です。)
 (4)  電子化手数料の納付(出願後払込用紙が送付されて来ます。)
以上が出願の行程です。

③ 審査

出願後、審査には半年から1年程の時間を要します。特許庁には日々膨大な量の商標登録出願があり、それらを順番に審査していかなければならないからです。
時間を要するので、思い立ったらすぐに出願に取り掛かるのがおすすめです。

特許庁による審査後、問題がなければ登録査定がなされます。一方、何か問題があり登録できない場合は、その旨「拒絶理由通知」で知らされます。ここで「意見書・補正書」を提出し拒絶理由が解消されれば登録査定、解消されなければ拒絶査定となってしまいます。

④ 登録

登録査定が出たのち、所定の登録料を特許庁に納めると、登録が完了し晴れて、商標権が発生します。登録料の納付から約1か月で登録証が送られてきます。これにて一連の手続きは終了です。
また、期間は10年間なので、10年ごとに更新をすることで半永久的にその効力が持続します。

3.身近な商標権侵害

最後に、私たちが日常でやってしまうかもしれない、身近に潜む商標権侵害についてお話ししたいと思います。

たとえば、ブランドのロゴ(商標権取得済)が入っている洋服をリメイクして販売することは商標権侵害になりかねません。ブランドのロゴを使うという事は、そのブランドの効果を狙っていると考えられるからです。
また、ブランドが出している生地(商標権取得済)を使って洋服を手作りしたとします。その洋服をフリーマーケットで販売するというのはどうなのでしょうか?
こちらに関しては、各ブランドで方針が分かれます。
「〇〇(ブランド名)の生地を使用しています」と表記するのであれば商業利用するのは構わない、としているところもあります。一方で、「当ブランドの生地を商業利用することは固くお断りします」としているブランドもあります。

一様ではないので、「商売」をする際は他人の権利を侵害していないかを十分に調べた上で行わなければならないでしょう。

4.さいごに

以上のように、商標権とは容易に申請可能で、近年の企業では本当に多く活用されています。つまり、毎年どんどん多くの商標登録がされている以上、世の中での商標権侵害の可能性が高まっている状況にあります。

今後、商標を活用しながらビジネスを行おうとする場合、商標権侵害のトラブルに気付かぬ内に巻き込まれてしまう可能性がありますので、弁護士へ相談しながら進めることが最善でしょう。
また、個人の生活においても、商標権の侵害は起こり得ます。個人での商売だからと安心していると思わぬ事態になりかねないので、十分に注意しなければなりません。