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会社に関する事務って何をするの? ~総務・人事・経理の定例業務~

2019.05.30

皆さんは、「事務」と聞くとどのような仕事を思い浮かべますか?総務や経理、一般事務、営業事務など、偏に事務といっても業務内容は様々です。

今回は、その中でも、総務、人事、経理といった「会社に関する事務」に着目してお話します。これから会社に関する事務に携わる予定の方はもちろん、就職・転職活動をされている方にもぜひ読んでいただけたらと思います。

1. 会社に関する事務

会社に関する事務は、大きく以下の3つに分けられます。まずは、それぞれの分野について、一般的な業務をご説明します。
※会社によって、各分野の業務領域は異なります。

(1)総務
総務は、会社の各部署がスムーズに業務を遂行できるようにサポートを行います。また、官公庁や取引先など社外の人とも関わる機会が多いです。幅広い業務について柔軟に対応することが求められます。
<例> 印鑑や重要書類などの管理 官公庁や取引先などの対応 株主総会の準備・開催 など

(2)人事
人事は、主に従業員に関する手続き全般を行います。従業員の大切な個人情報を保有することになるので、漏洩することのないように、慎重に情報を扱うことが求められます。
<例> 各種保険手続き 給与計算 年末調整 など

(3)経理
経理は、主に会計や税金に関する業務全般を行います。会社の成長に直結するので、迅速かつ正確に業務を進めることが求められます。
<例> 現金・預金管理などの会計処理 法人税など各種申告書の提出・納付 など

ここからは、総務・人事・経理の毎年定例の業務をご紹介します。

2. 総務の年間定例業務

〇株主総会の準備・開催(4月~5月※)
会社の決算が終わったら、株主総会を開催します。決算日から2~3か月以内に行うのが一般的です。開催に伴い、事業報告書や計算書類などを準備する必要があります。また、開催したら、必ず株主総会議事録を作成します。
※ 3月末決算の場合

〇役員改選等の登記申請手続き(5月※)
株主総会において役員の改選等があった場合、変更が生じた日から2週間以内に登記をする必要があります。
※ 3月末決算の場合

3. 人事の年間定例業務

〇健康保険・介護保険の料率改定の確認(3月)
健康保険と介護保険の保険料率は毎年3月に改定されます。必ず最新の保険料額表を準備して、改定内容を確認しましょう。

〇雇用保険の料率改定の確認(4月)
雇用保険の保険料率は毎年4月に改定されます。必ず最新の雇用保険料率表を準備して、改定内容を確認しましょう。

〇労働保険の年度更新手続き(6月)
毎年6月1日から7月10日までの間に、前年度の保険料を精算するための確定保険料の申告・納付と、新年度の概算保険料を納付するための申告・納付を労働基準監督署に行う必要があります(労働保険概算・確定保険料申告書)。

〇特別徴収税額の更新(6月)
毎年5月末頃までに、会社に特別徴収税額通知書が送られてきます。6月からはこの通知書に基づき、従業員の給与から住民税を差し引くことになるので、必ず変更された税額を確認しましょう。

〇社会保険の定時決定(7月)
社会保険料は、原則として年に1回見直しを行います。そのため、7月1日時点で使用している全被保険者の3か月間(4~6月)の給与をもとに「標準報酬月額」を見直し、7月10日までに年金事務所に届出をする必要があります(健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届)。

〇社会保険の標準報酬月額等級の更新(9月)
前述した算定基礎届を提出して決定した新しい社会保険料は、その年の9月から適用されます。必ず変更された社会保険料を確認しましょう。

〇厚生年金保険の料率改定の確認(9月)
厚生年金保険の保険料率は毎年9月に改定されます。必ず最新の保険料額表を準備して、改定内容を確認しましょう。健康保険・介護保険(3月改定)、雇用保険(4月改定)とは改定時期が離れているので、確認を忘れないように注意してください。

〇年末調整(12月)
「毎月の給与計算で差し引かれた所得税額」と「1年間に支払った給与をもとに計算した納付すべき所得税額」における過不足額を精算し、税務署・市町村に書類を提出する必要があります(給与支払報告書、源泉徴収票、法定調書合計表)。

4. 経理の年間定例業務

〇償却資産申告書の提出(1月)
毎年1月1日時点で所有している、事業のために用いることができる構築物・機械・工具・器具・備品等の固定資産(これらを償却資産といいます。)について、1月31日までに市町村に申告をする必要があります。償却資産の例としては、パソコンなどの事務機器、看板、印刷機などがあります。

〇所得税の納付(1月、7月)
毎月給与から差し引く所得税の納付は、原則として翌月10日までに行います。ただし、給与を支払う従業員が常時10名未満で、納期の特例制度が適用されている場合は、1月と7月に6か月分をまとめて納付します。

〇決算準備・決算(3月~4月※)
会社は、決められた事業年度における業績について、貸借対照表や損益計算書などの書類を作成します。それらをもとに、株主総会において株主へ業績の報告と承認を求め、承認された内容に基づいて税金の申告を行う必要があります。この書類作成業務のことを決算といいます。申告については後述します。

※3月末決算の場合

〇法人税申告書、法人事業税・住民税申告書、消費税申告書の提出(5月※)
決算に基づき、納税額を確定するため、法人税申告書、法人事業税・住民税申告書、消費税申告書を作成し、期末から2か月以内に税務署に提出する必要があります。これらの書類の作成は、多くの場合、会計事務所に依頼します。

※3月末決算の場合

〇住民税の納付(6月、12月)
所得税同様、毎月給与から差し引く住民税の納付は、原則として翌月10日までに行います。ただし、給与を支払う従業員が常時10名未満で、納期の特例制度が適用されている場合は、6月と12月に6か月分をまとめて納付します。

5. まとめ

今回は、会社に関する事務について、年間スケジュールに基づいてお話しました。従業員の少ない会社だと、全ての事務を1人で担当するということも十分あり得ます。これから会社に関する事務を担当される予定の方もいらっしゃるかと思いますが、実際に勤務を開始すると、毎日沢山の業務に追われてしまい、1年間の予定をゆっくり確認する時間が取れないと思います。
事前に、いつ頃、何の業務をする必要があるのかということを把握しておくだけでも全く違うと思いますので、ぜひこの記事を参考にしていただければ幸いです。