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標準報酬月額①~報酬の定義と報酬に含まれるもの~

2019.05.23

毎月の給与から控除されている社会保険料は、健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料がありますね。その保険料の基になっているものは「標準報酬月額」ですが、基本給だけを当てはめて考えることはNGです。まずは、定義や報酬に含まれる手当について要件を確認してみましょう。

1.報酬の定義

報酬とは、以下のように定義されています。(健康保険法3条5項)

賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいう。ただし、臨時に受けるもの及び三月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。

つまり、名称は関係なく、働いたことの対価と評価できるものは報酬となります。そして、支給されることが決まっておらず臨時で支払われるもの(結婚した時のご祝儀など)は報酬となりません。
これに加え、年に4回以上の賞与を支給→報酬
      年に3回までの賞与を支給→賞与 として扱います。

2.報酬の対象となるもの

報酬は、標準報酬月額を決めるもとになるので、対象になるものとならないものを間違えないようにしましょう。

※1 よく疑問に思うのが、「通期手当を報酬月額に含めるべきか」ということではないでしょうか。定期代や定期券、実費精算など、どんな支払い方であろうと、自宅から職場までの往復の為に発生する交通費は、課税・非課税かかわらず、含めましょう
半年分をまとめて出しているのであれば、その金額をひと月分にして含めるようにしましょう。実費なのに含めるのはおかしいと感じるのは理解できますが、法律で決まっていますので仕方ありません。。。
※2 年4回以上の賞与を支給する場合
原則、毎年7月に算定基礎届を届け出る際に、賞与総額を12で割った額を各月の報酬に含めて算定します。ただし、いろいろなケースがあり、かなり複雑なので、必ず年金事務所や専門家に確認をしましょう。

3.標準報酬月額とは

標準報酬月額は、手取り金額ではなく総支給額から算定(基本給+諸手当(上記の表を基に))した金額を「標準報酬月額表(保険料額表)」に当てはめます。原則として、毎年1回決定され、その決定された標準報酬月額が、1年間使用されるようになります(下記イ)。※毎月社会保険料が変わることはありません。

①標準報酬月額の決定の方法は、下記の方法で決定・改定されます。
ア)入社時などの資格取得時決定
イ)定時決定(毎年1回行われる4・5・6月の給与の平均額から算出)
ウ)賃金の昇給降給が続いた際に行う随時改定
エ)産前産後休暇・育児休業等終了時改定

②標準報酬月額の等級区分
標準報酬月額は、被保険者の報酬月額に基づき、いくつかの等級に区分されています。
現在では、※2019年5月現在
健康保険   第1等級の58,000円~第50等級の1,390,000円
厚生年金保険 第1等級の88,000円~第31等級の620,000円
とされており、健康保険と厚生年金保険では、上限が異なるので注意が必要です。

4.健康保険・厚生年金保険の保険料額表(協会けんぽ)

「標準報酬月額」は、都道府県ごとに違います。
どこの都道府県を見るのかというと、個々人の住んでいる住所先ではなく、会社所在地の住所の都道府県となります。
※ 福岡支店でも、東京の本社に所属していたら東京を参考にします。

引用:全国健康保険協会HPより
例年、3月ごろ保険料の変更があっておりますので、都度、最新のものを確認いただくことをお勧めします。会社にも変更があった際はお知らせが届くようです。
◆福岡県 平成31年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/h31/ippan/h31340fukuoka.pdf 
◆東京都 平成31年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/h31/ippan/h31313tokyo.pdf 

こちらの表の見方は、別記事に記載がありますのでご確認ください。

給与計算業務②~給与計算の流れ~

5.まとめ

基本給と残業手当と交通費のみでしたら分かりやすいのですが、やはり会社によってさまざまな手当の種類があると思います。その報酬月額から、社会保険料の金額が決まりますので、しっかり要件を確認することが必要ですね。

この社会保険料の基礎に含むかどうかで、社会保険料額が変わって来て、手取り額が変わって来ますので、会社だけでなく従業員の方々も気にするようにしてみてください。