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意外と知らない会社法2 ~有限会社・商号・屋号とは~

2019.05.20

普段何気なく目にしている会社名や店舗名。

これってどのように決められているか、知っていますか?

1.「有限会社」とは?

 街中で、有限会社と書かれた看板やビルを見かけることがありますよね。実はこの有限会社、今はもう会社法上、設立することができないだけでなく、「有限会社」と看板を掲げている会社も厳密には有限会社ではないのです。

平成18年(2006年)51日に会社法という法律が施行されました。それまでは、商法第2編会社の規定、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律(商法特例法)、有限会社法、この3つの法律が会社法的な位置付けとして利用されていましたが、会社法という新しい法律ができたことで商法第2編は削除され、商法特例法と有限会社法は廃止されてしまったのです。

会社法が制定された理由として、商法は明治32年に制定されたものであるため、文がカタカナ表記、文語体になっておりひらがな表記に改める必要があったこと、何度も改正されたことで枝番が付き過ぎて読みにくかったこと、規制緩和やグローバル化に柔軟に対応できるように内容をバージョンアップさせる必要があったことが挙げられます。

会社法の制定に伴い有限会社法が廃止されたことで、それまで株式会社よりも簡単に、かつ少ない資金で設立可能だった有限会社を設立することが不可能となりました。つまり、2006年から有限会社は設立できなくなったのです。では、今まで存在していた有限会社はどうなってしまったのでしょうか?

結論から言うと、「有限会社」は「株式会社」となりました。つまり、「有限会社」というものが世の中からなくなった結果、今まで有限会社としていた会社は「株式会社」としましょうということになりました。法律上、有限会社ではなく株式会社として扱われていますが、今でも変わらず存在していて、このような有限会社のことを形式的には株式会社であるにもかかわらず、「特例有限会社」と呼びます。また、有限会社がなくなった代わりに、株式会社の内容に多くの類型が設定され、有限会社とあまり変わらない形で株式会社を設立することが可能となりました。

 

2.「商号」とは?

 では、次に会社の類型の話から、会社の名前の話に移りたいと思います。世の中には様々な会社の名前がありますが、これって自分の好きな名前を付けられるのでしょうか?

 まず、会社には「商号」と「屋号」というものが存在します。ここでは、「商号」についてお話します。

「商号」とは会社が運営していくうえで他の会社と区別するための名前のことで、会社の名前として登記されます。原則、自由に決めることができますが、いくつかルールが存在します。

まず、文字について。ひらがなやカタカナ、アルファベットなどはもちろん使うことができますが、ローマ数字や()などは使うことができません。

次に、会社の種類を入れなければならないことです。会社の種類とは「株式会社」や「合同会社」のことで、名前の前後に必ず入れるということが定められています。反対に、会社ではないのに「株式会社」などの会社を表す言葉を使ってはいけません。

3つ目に、「銀行」「出張所」など特定の言葉を使用することも禁止されています。

そして最後に、同一住所で、同一商号は使用できないルールが存在します。異なる住所であれば同一の商号でも登記することが可能ですが、他のお店と似た名前を付けてしまうと、不正競争防止法に触れる可能性もありますので、会社を設立する際はインターネットで設立する予定の会社名を検索してみましょう。思いのほか、同じ名前の会社が世の中にたくさんあることに驚くと思います。これは、不正競争防止法の観点からも必要なことですが、ビジネスを行う上で会社の認知度を高める以上、同じ名前の会社が全国にたくさんあっては、広告などの際に不都合が生じますので、意識しておくべきです。

以上のルールを守れば自由に商号を決めることができるので、「商号」を考える際にはぜひ参考にしてみてください。

 

3.「屋号」とは?

 2で、会社には「商号」と「屋号」が存在するとお話ししましたが、3では「屋号」についてお話していきます。

 「屋号」とはビジネス上の名前で、実際に店舗で使ったり、銀行口座、契約書、領収書に記載されたりする名前のことになります。「商号」とは違い、会社法の規制を受けません。そのため、事業ごとに複数作っても、文字数が多くても自由に名前を付けることができるのです。ただし、すでに使われている屋号が商標登録されているものだと、同一市内で同じ屋号を使用することができず、「○○会社」「○○法人」といった名前も、付けることができませんので注意してください。

 また、屋号は商号と違い必ず付けなければならないものではありません。商号と店舗名を分けている会社もあれば、一緒にしている会社もあります。

 最も分かりやすいのが飲食店でしょう。世の中の飲食店は、一つの株式会社が10種類の店舗を別のブランドとして展開していたりします。その際、飲食店の経営においては、株式会社の名前である商号が表に出ることは少なく、あくまでそのお店の屋号でお客さんは把握しますよね。ですので、意外と同じ会社が経営していると知らないチェーン店などもたくさん存在します。

では、もし屋号を付けたいと考えた場合、どのような名前が印象に残るのでしょうか?

屋号は多くの人の目に触れるものになりますので、誰にでも分かりやすく、事業内容のイメージが付きやすいものだと効果的です。どんな事業を行っているのかがすぐに分かれば、どこかでビジネスチャンスが広がる可能性がありますし、記憶に残りやすいものです。1度屋号を決めてしまったとしても変更することが可能で、変更には届出の必要もなく、もし個人事業として行っているなら、確定申告をする際に新しい屋号を記入するだけで簡単に行うことができます。

 さらに、屋号を作ることで、個人事業主であれば、屋号名義で銀行口座を開設することもできますので、屋号をつくること、考えてみてください。

 

4.まとめ

 今回は、「有限会社」「商号」「屋号」についてお話をしました。

 普段何気なく目にしている会社名や店舗名ですが、名前1つを決めるにもたくさんのルールが存在し、そのルールを守ったうえで考え抜かれた名前なのです。

今回この記事を読んだことをきっかけに、会社や店舗の名前の由来や付けた人の思いなどを考えてみるといいかもしれません。