生前の相続対策

遺言書を作成してみませんか?

2021.04.17
遺言書を作成してみませんか?

相続時の争いごとを減らすためにも、遺言書を作成してみませんか? 
今回は遺言書についてご説明いたします。

遺言とは、故人の最後の意思表示であり、遺言書を作成する本人だけでなく、遺産を相続する人たちにも重要な役割を担っています。15歳以上であれば未成年であっても作成することができますが、強制的に書かされた遺言書は効力を持つことができません。

1.遺言書を残した方が良い4ケース

ここでは、遺言書を残した方が良いケースを4つ紹介します。

①子どもがいない場合
子どもがいない場合は、配偶者と被相続人の両親が相続人になります。相続分は配偶者が3分の2、両親が3分の1となります。両親、祖父母がなくなっている場合には、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1を相続します。兄弟姉妹の中に既に亡くなっている人がいる場合は甥や姪が代襲して相続人となります。

②相続人が多い場合
子どもが複数人いる場合や代襲相続が発生する場合、相続人が養子縁組を結んでいる場合などがこの相続人が多いケースにあたります。相続人同士の住居地が離れている場合、遺産分割の話し合いが困難になるため、相続人に負担がかかってしまします。それを防ぐためにも、遺言によって相続分を指定しておくことをお勧めします。

③自宅等以外に分ける財産がない場合
自宅以外に相続する財産がない場合には、自宅を売却し、その売却代金を分けることもあります。その場合、残された配偶者は住む家を失うことになってしまいますので、「住居は配偶者に残す」などという内容を遺言書に記しておくと安心です。

④内縁の配偶者やその人との間に子どもがいる場合
内縁の配偶者とは、婚姻届を提出していない事実状の配偶者を指します。内縁の配偶者には相続権がありませんので、長い間夫婦のような生活を送っていたとしても相続することはできません。内縁の配偶者に財産を残したい時には遺言を残すことで遺贈が可能になります。

 

2.遺言書の方式と特徴

遺言書には種類があります。今回は一般的な「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」について簡単に説明いたします。

「自筆証書遺言」
自筆証書遺言とは、遺言者が遺言の全文、氏名、日付を自著し、これに押印することにより成立します。文章全体を一言一句間違えずに手書きし、必ず作成日付を記入しなければいけません。遺言内容の修正方法も厳格で、遺言者本人が修正する場所を指示し、変更した旨を付記して、これに署名押印が必要になります。費用をかけずに一人で手軽に作成できますが、一人で作成ができる分、発見されない危険性もありますので信頼のおける人に伝え、死後に相続人などに報告するよう依頼しておくことも大切です。

「公正証書遺言」
公正証書遺言は、公証役場の公証人が要件を確認しながら遺言書を作成するので、法定の方式を誤り無効になることがありません。原本は公証役場で保管されるため、第三者による偽造もありません。さらに、作成時に公証人と二人以上の承認の立合いが必要になるので、遺言書を作成した事実やその内容を知られたくない場合は守秘義務のある弁護士などに承認を依頼することをお勧めします。また、一度作成した内容を撤回する場合には、手元にある遺言書を破棄するだけでなく、公正役場に保管されている遺言書を撤回し、新たな遺言書の作成が必要になります。

「秘密証書遺言」
秘密証書遺言も自筆での署名・押印は必要ですが、自筆証書遺言と異なり代筆による作成が可能です。遺言書を作成してから、その作成した遺言書が秘密証書遺言であることを公証人と2人以上の承認の面前で提出を行う必要があります。遺言内容を知られたくない時に使われるものですが、実際はほとんど使用されていません。

3.遺言書の内容撤回・変更方法

遺言者は本人の自由意思でこれを撤回することができます。自筆証書遺言と秘密証書遺言の場合は、遺言書を破棄して新しい遺言書を作成することが一番安全な撤回方法です。公正証書遺言の場合は、先ほどもご説明しましたが、原本が公証役場に保存されているため遺言書を破棄しただけでは撤回の効力は生じません。そのため、新しい遺言書の作成が必要となります。

遺言書と聞くと死期が近づいいてきた時に作成するものだと思われているかもしれません。しかし、人生はいつ何が起こるか分かりません。ですので、自分の財産整理の意味も込めて遺言書を作成してみてはいかがでしょうか。