生前の相続対策

円満な相続ができるような遺言書を作成したいけどどのように書けばいい?

2021.06.07
円満な相続ができるような遺言書を作成したいけどどのように書けばいい?

遺言書を残したいと考えている方も多いのではないでしょうか。そして、どのように書いたらいいのか分からないと思うことも多いのではないでしょうか。
また、できるだけ家庭円満な相続ができるような遺言書を作成したいと思われているのではないでしょうか。
今回は、家庭円満な相続を考えた場合の遺言書作成を事例に沿ってご紹介します。

■事例

・遺言書を作成される方
ご主人(以下遺言者様)
・ご家族
奥様、お子様二人(長男、長女 共に成人)
・遺産内容
自宅(土地建物)、預貯金、自家用車、株券

■ご相談内容

・奥様には遺言者様の死後も安心して暮らせるようにしたい
(自宅の土地建物と一定の預貯金を残したい)
・それ以外の財産はお子様二人に公平になるように残したい
・奥様もご高齢であるため、遺言者様より先に亡くなった場合や同時に亡くなった場合も想定した遺言書を作成したい

1.遺言書を書くにあたって

遺言書を書こうと思ったときに、まずはどのような内容にしたいのか、目的を決めていただくことになります。目的を決めることによって遺産を残したい方や遺産分割の内容が決まりますので、十分に時間を取って考えることをお勧めします。もし、遺言書を書くにあたって、法律事務所に相談しておきたいと考えられた場合でも遺言書を作成する目的をしっかりと伝えることができれば、ご自分の意向に沿ったアドバイスを受けやすくなります。

今回の事例では、「奥様が安心して暮らせるようにしたい」、「お子様二人に公平になるような遺産分割をしたい」、「奥様が遺言者様より先に亡くなったり、同時に亡くなった場合も配慮したい」という3つの目的に沿って遺言書を作成していくことになります。

2.遺産分割を行うにあたって

まずはご自分の財産を把握することから始めましょう。ご自分の名義になっているものは何があるのか、どのようなものがあるのか書き出してみるのもいいかもしれません。もし、調べ方が分からないなどの悩みがあるのであれば、早めに法律事務所などに相談するとよいでしょう。

ご自分の財産を把握されたら遺産分割の内容を考えていきましょう。
公平な相続という観点だけで遺産分割を行うのであれば法定相続分どおり、今回であれば奥様には2分の1,お子様お二人にはそれぞれ4分の1の割合で相続させるという方法もあります。この方法で行うと、それぞれの財産をどのようにわけるかをご家族で話し合って決める必要があり、分割方法で家族内の争いが起こる可能性があります。そのため、今回の目的である「円満な相続」から外れることになりかねません。

では、どのような内容にすればいいのでしょうか。ここで目的を思い出してみましょう。

まずは、「奥様が安心して暮らせるようにしたい」ためにはどうすればいいのでしょうか。
自宅を奥様に残せば安心して暮らせる場所を確保することができます。そして、奥様の老後の生活資金のために預貯金を残すということも必要になるかもしれません。

そして「お子様二人に公平になるような遺産分割をしたい」ということであれば、奥様に残した遺産の残りをお子様お二人に公平になるよう分割すればいいのでは?と考えることもできるのではないでしょうか。
もし、自家用車については長男が欲しがっていたなと思いだしたのであれば、長男へ相続させ、その分残りの預貯金を長女へ残そうと考えることもできるのではないでしょうか。

このように、目的に沿って考えるとどうすればよいのかや、遺言書に書く内容が決まってくるのではないでしょうか。
また、個々の財産をどなたが相続するのかを事前に決めておくことは、ご家族内での財産の分割方法に関する紛争防止にもつながっていきます。

3.遺産分割の内容がある程度きまってきたら

遺言書に書くにあたって、「誰に」「何を残すか」をまとめてみましょう。
ご自分の財産をしっかり調べたつもりでも、把握できなかったものがひょっこり出てくることもまれにあります。そうなると遺言者様が亡くなった後に争いを起こす可能性があります。そのような場合に備えて、遺言書に記載のないものがでてきたときはどなたかを指定して相続してもらうようにしておくとよいでしょう。今回の事例では遺言書にない財産については奥様に相続してもらうことになりました。

また、今回の事例では奥様も高齢であることから遺言者様より先にもしくは同時に亡くなる可能性もあります。このような場合も相続人間で争いが生じることになりますので、どなたか指定して相続するようにしておくことをお勧めします。

4.遺言書を書くにあたって

文書にははっきりと「○○に△△を相続させる」とはっきり記載するようにしましょう。はっきりと記載することで相続手続きをよりスムーズに行うことができるようになりますし、争いを防ぐ効果もあると言われています。
逆に「あげる」や「継がせる」のような曖昧な言葉は避けた方がよいと言われています。

また、遺言者様の想いを「付言事項」として書くことができます。ご自分の想いを伝えることで相続人の方が遺言書の内容についての理解を深めることにつながり、円満な相続に役立つと言われています。

5.まとめ

遺言書を作成しようとされる方は円満な相続をご希望される方が多いのではないでしょうか。遺言書を作成する前にしっかりと準備を行うことが重要になります。まずは何から始めたらよいか分からないことも多いと思いますので、専門家へご相談することから始めるとよいでしょう。